研究課題/領域番号 |
03670455
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
千田 彰一 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助教授 (30145049)
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研究分担者 |
宇多 弘次 香川医科大学, 副学長 (80107044)
阪本 晴彦 香川医科大学, 医学部, 教授 (60106549)
前田 肇 香川医科大学, 医学部, 助教授 (00075508)
森田 久樹 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (70145051)
松尾 裕英 香川医科大学, 医学部, 教授 (90028514)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 超音波顕微鏡 / 音響的定量評価 / 動脈硬化 / 音速 / 超音波減衰量 / 冠動脈 / 内膜 / 心筋 / 減衰量 / 内膜音速 / tissue characterization |
研究概要 |
本研究の目的は、超音波顕微鏡による生物組織の音波伝播速度および超音波減衰量を計測することより動脈硬化度の定量的評価を行うことである。我々は剖検心より得られた冠動脈内膜の音響組織特性を定量解析することにより、病理組織学的な冠動脈粥状硬化の進展度との関連性を検討した。これによれば冠動脈内膜音速は、正常群1757.8【+-】90.4m/s,前期粥状硬化群1611.9【+-】53.0m/s,後期粥状硬化群2031.4【+-】145.0m/sであり、超音波減衰量は各々、2.5【+-】0.5dB,1.7【+-】0.6dB,5.4【+-】0.8dBであった。したがって冠動脈内膜硬度は形態学的な粥状硬化の進展に伴って直接的な増加を示すものではなく、粥状硬化初期の段階では病変部内膜は正常例よりむしろ軟化を示し、高度の線維化および石灰化を呈する合併病変の段階に至って硬度が増加すると考えられた。 さらに冠動脈中膜の音響組織特性の定量評価を行った。この検討では正常群において音速は、内膜1785.5【+-】93.9m/s、中膜1797.3【+-】78.8m/sに対し、前期粥状硬化群においては、内膜1694.5【+-】64.0m/s、中膜1776.1【+-】61.8m/sであり、内膜音速に関しては前期粥状硬化群は正常群に比して有意に低値であったが(p<0.01)、中膜の音速には有意差を認めなかった。これは冠動脈中膜には動脈硬化の影響が波及しにくいことによるのではないかと考えられた。 さらに現在は剖検心を対象として、各年齢層の健常例において心内膜側から心外膜側への音速分布および超音波減衰量を計測中である。加齢とともに左室拡張能が低下することは既に知られているが、この原因と考えられる心筋組織性状の変化については、未解明なことが多く、加齢、左室肥大、心筋虚血など左室拡張能が障害されて病態において、これらの因子が心筋組織性状に及ぼす影響について検討中である。
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