研究課題/領域番号 |
03670478
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
須磨崎 亮 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (40163050)
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研究分担者 |
滝田 齊 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (30013957)
柴崎 正修 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (30049233)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | C型肝炎ウイルス / 母児感染 / PCR法 / 母乳栄養 / C型肝炎ウイルス抗体 / 移行抗体 / 乳児健診 / 母児関係 / C型肝炎 / 慢性肝炎 / 小児 / PCR / 診断 / 感染経路 / 家族内感染 / polymerase chain reaction / 母乳感染 / 非A非B型肝炎 / 血液製剤 / 唾液 / 抗体検査法 |
研究概要 |
本研究はC型肝炎ウイルス(HCV)母児感染の診断法の確立と母児感染児の頻度、感染経路、臨床病像の検討を目的として遂行された。HCV感染母体25例とその出生児27例を対象としたfollow up studyから、児では生後2〜14か月まで移行抗体が検出されること、HCVの母児感染はPCR法によるHCV-RNAの検出により診断されること、HCV母児感染児ではHCV抗体価の再上昇や母体血にないHCV抗体の検出が観察されることが明らかになった。また、27例中2例(7.4%)でHCV母児感染が成立した。HCV抗体のカットオフ値が3以下の母親の血中HCV-RNAは陰性であり、母児感染を起こす可能性が少ないと考えられた。母乳栄養はHCV母児感染成立の頻度に影響を与えなかった。唾液中からは血清中と比較して千〜1万分の1以下のHCV-RNAが検出されたが、母乳中には全くHCV-RNAが認められなかった。小児C型肝炎40例の検討から、第2世代のHCV抗体検査法は成人患者同様に有用であること、乳児期C型肝炎の病像は比較的穏やかであることが明らかになった。HCV母児感染児の自然歴は未だ不明であるが、現段階の処置として以下を提言する。(1)HCV抗体陽性の母親には、母児感染の可能性が低いことを十分に説明する。たとえ児に感染しても当面は障害は少ないこと、年長児になってからでも治療は有効であることを告げ、無用の不安を取り除くように努める。(2)出生後の感染予防には、自分の血液の処理に注意すること、口移しで離乳食を与えないことを注意させ、他は全く普通通りに育ててよいと説明する。良好で安定した母児関係を維持するように指導する。(3)現在のところ、母親に母乳栄養を中止させる根拠はない。(4)出生児のフォローアップとして、通常の健診以外に最低でも1歳時及び1歳半健診時に肝機能検査、第2世代のHCV抗体検査、PCR法によるHCV-RNAの検出を行う。(5)HCV母児感染児の自然歴や乳児に対する薬理作用が明らかになる迄、当分の間インターフェロン治療は行わない。
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