研究概要 |
(1)臨床的研究 平成3年度は松山市内の小学4年生5,417名(男児2,777名、女児2,777名、女児2,643名)、中学1年生5,900名(男児3,025名、女児2,875名)を対象に小児成人病検診を実施した。肥満度20%以上の肥満は小学4年生で13%(男児14.5%、女児11.6%)、中学1年生で11.1%(男児12.9%、女児9.1%)であった。一方、血清コレステロ-ル200mg/dl以上の高脂血症者は小学4年生で9.8%(男児9.6%、女児10.0%)、中学1年生で6.9%(男児5.5%、女児8.5%)であった。これらの結果より小児のNIDDMと共通のリスクファクタ-の有するものが小中学生で約15%に存在することが明らかとなり今後これらをコ-フォ-トとしたプスペクティブ調査を行う予定である。 (2)実験的研究 NIDDMのモデル動物であるNONマウスおよびKKマウスでNIDDMの自然経過をみるとともに受容体機能調節剤、インスリン分泌刺激剤の効果を検討した。NONマウス、KKマウスいずれも80%以上の糖尿病発症率を示すが、これらの処置によりほぼ正常血糖に復した。これらの結果はNIDDMの本態にインスリン作用機序の障害とインスリン分泌の障害の両者が係っていることを示しており、今後そのメカニズムの詳細を検討する予定である。
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