研究課題/領域番号 |
03670563
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西野 直樹 神戸大学, 医学部, 講師 (30218177)
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研究分担者 |
山口 直彦 兵庫県立光風病院, 病院長 (10030868)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1991年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | cyclic AMP / GTP結合蛋白質 / cAMP依存性蛋白質リン酸化酵素 / 受容体結合実験 / 免疫定量 / 側頭葉 / 精神分裂病 / ヒト死後脳 |
研究概要 |
精神分裂病の病態との関連が指摘されている海馬および側頭葉において、情報受容伝達機構の異常の有無を検討する目的で、GTP結合蛋白質(GsおよびGi蛋白質)およびcAMP依存性蛋白質リン酸化酵素(Aーkinase)の変化をそれぞれGsαおよびGiα蛋白質に対する特異抗体を用いた免疫定量および[_3H]cAMPを用いた結合実験により検討した。また、分裂病の病態が、大脳半球の神経生化学的左右差の異常と関連するとする仮説を検証するため、測定は左側右側それぞれについて行った。 1.[_3H]cAMP特異結合の変化:精神分裂病群左側側頭葉で正常対照群同側側頭葉に比較して約40%有意な増加を示した。精神分裂病群では、側頭葉で左側が右側に比べ約30%有意に増加し、左右差がみられたが、正常対照群ではこうした変化はみられなかった。 2.GsおよびGiα蛋白質の変化:Giα蛋白質免疫陽性反応は、精神分裂病群左側側頭葉で正常対照群同側側頭葉の約70%と有意な低下を示した。一方、側頭葉におけるGsα蛋白質の免疫陽性反応は、精神分裂病群と正常対照群で左右いずれにおいても有意差は認めなかった。 こうした精神分裂病群左側側頭葉における[_3H]cAMP特異結合やGiα蛋白質の変化は、死亡前服薬群、非服薬群で有意差はなかった。以上の結果より、精神分裂病において優位半球(左側)側頭葉における神経生化学的異常、特にcAMPを介するアデニル酸シクラ-ゼ-Aーkinase系の異常の存在が示唆された。
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