研究課題/領域番号 |
03670576
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
山本 哲 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50125415)
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研究分担者 |
澤 雅之 旭川医科大学, 医学部, 助手 (70226059)
葛西 眞一 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (40091566)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 人工肝臓 / 親脂化膜 / サルファイド / フェノール / 被包肝細胞 / 肝ミクロソーム / 中空糸膜 / 被包遊離肝細胞 / 脂溶性毒素 / ディメチルサルファイド / グルクロン酸抱合 / ガラクトサミン肝障害 |
研究概要 |
脂溶性毒素は肝不全の発症に重要な役割を持っており、その選択的除去装置を検討した。疎水性のポリプロピレン、ポリエチレン中空糸膜をパラフィンオイルで加工し、親脂化膜を作成した。この親脂化膜は脂溶性物質のみを透過し、水溶性物質は透過せず、脂溶性毒素のフェノール、DMSの選択的除去に有用であった。これらの脂溶性毒素を代謝除去するために、肝ミクロソームおよび被包遊離肝細胞を用いた。肝ミクロソームについてはDMSを効率的に酸化して水溶性のDMSOに変換する事で解毒除去を達成した。被包肝細胞についてはフェノールのグルクロン酸抱合能を検討したが、これも親脂化膜を介して効率的な除去が認められた。動物を用いた実験では、フェノールによって脳症を誘発した家兎に親脂化膜を用いた体外循環装置を接続して、動物からの脂溶性毒素フェノールの抽出に成功した。また外科的肝不全モデルとして、門脈下大静脈吻合(PCS)に70%肝切除を行なったラットにさらにフェノールを投与したものに対し、被包肝細胞を腹腔内で機能させたところ、動物の血中フェノール濃度が被包肝細胞を与えた群でやや低下する事が認められ、脂溶性毒素による術後肝不全の治療として被包肝細胞の腹腔内投与の効果が示された。脂溶性毒素に対する解毒代謝機能を向上させるために、肝ミクロソームに対しては動物のフェノバール処利を、遊離肝細胞についてはPCS処理を事前に行ないそれぞれ調整した。DMSの解毒代謝能はフェノバール処理により約5割増加し、PCSによってNADPH-Cyt.C Reductase 活性は約3割増加した。しかし、肝細胞増殖因子としてEGFを加えた被包肝細胞は、その増殖能、機能ともに添加効果が、認められなかった。ミクロソームについては冷凍保存が可能で、必要に応じて持続的に追加して代謝のリアクター機能の劣化を防ぐ事が可能であった。
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