研究概要 |
1.糖新生系の律速酵素であるphosphoenolpyruvate carboxykinaseの変化におよぼずinsulin,glucose濃度の影響とtriglyceride clearanceのkey regulatory enzymeであるlipoprotein lipaseのinsulinに対する反応を細胞レベルで検討した。 LPL活性値低下は、high physiologic insulin concentrationにも、super-physiologic insulin concentrationでも反応性が低下しておりinsulin sensitivityと共に、responsivenessも低下していることが判明した。(AACR 1994 in Floridaにて発表、日本外科学会雑誌速報94:131,1994)。 molecular levelでの検討は継続中である。 2.悪液質に関与するmediatorの研究 Fisher 344 ratにTNF aipha,IL-2を投与、各種代謝変動におよぼす影響を malic enzyme,phosphoenolpyruvate carboxykinase,lipoprotein lipaseの活性値の変化より検討した。 TNF alphaおよびIL-2のKey regulatory enzymeに及ぼす効果は、担癌時に認められるそれらとは明らかに異なっており、これらcytokineがcancer cachexiaのmediatorとして作用している可能性は少ないと考えられた。(Surgery Today23:621-625-1993). 3.担癌ラットにおけるLPL活性値刺激の効果、prostagrandin cascadeの関与、インダシンによる遮断担癌時にみとめられるLPL活性値の低下は高脂症治療薬であるbezafibrateにより上昇させる事が可能であることが判明した。(日本外科学会雑誌速報93:759,1993)。 インダシンによる効果は、著明では無かった。
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