| 研究概要 |
〔単核球DNA分析による拒絶治療の効果判定〕
1. 雑種成犬を用い同所性同種肝移植を行った。
2. CsA 5mg/kg/day 投与2例,CsA 7mg/kg/day 投与2例,FK506 0.1mg/kg/day 投与1例,FK506 0.15mg/kg/day 投与1例の合計6例に,9回のrejection episodeを組織学的に確認した.
3. 6例の拒絶前の末梢血単核球SG_2M%は,4.1±0.6であったが,9回の拒絶時には,13.6±1.3と有意に上昇し,この変化は生化学的変化に1〜2日先行した。
4. 9回の拒絶に対し,ステロイドパルス療法(methy lpredonisolone 200mg 3日間)した所,5例において,レスキュー効果を組織学的に認め,その際,SG_2M%は5.6±0.7と速やかに有意に低下した。
以上より,末梢血単核球のDNA分析は,肝移植における急性拒絶反応に対する治療の効果判定に有用な情報を与える可能性が示された。
|
