研究概要 |
1.マウス抗ヒトCEA抗体AB5C10を作成し,精製をおこなった.精製したAB5C10と抗ヒトCD3抗体UCHT1のBispecific Antibody(BSA)を作成した. 2.得られたBSA(AB5C10*UCHT1)はCEA産生型cell lineのKATOIIIを用いてFCMでCEAとの反応性を検討した.その結果,ほぼ100%がpositiveでありAB5C10*UCHT1のCEAとの強い反応性が確認された.同様に末梢血単核球(PBMC)とAB5C10*UCHT1との反応性をFCM検討した.その結果,約80%がpositiveでCD3との反応性が確認された. 3.次にKATOIIIをtarget cell,PBMCをeffector cellとして,AB5C10*UCHT1の細胞障害活性増強効果を^<51>Cr release assayを用いて行った.その結果,E/T ratioが100/1でcontrol群の% specific lysisが5.6%に対し,BFA添加群では15.3%と約3倍の細胞障害活性増強効果を認めた.また,effector cellにLAK cell(PBMCをIL-2存在下で72時間培養)を用いAB5C10*UCHT1の細胞障害活性増強効果をみた結果,E/Tratioが12/1でcontrolに比べ55%の細胞障害活性増強効果を認め,in vitroでのAB5C10*UCHT1が細胞障害活性増強効果を誘導することがわかった. 4.AB5C10*UCHT1の細胞障害活性増強効果におけるdose dependencyを検討した結果,0.1μg/mlで増強効果がみられた. 5.今後は癌性腹膜炎または癌性胸膜炎モデルでAB5C10*UCHT1処理リンパ球(LAK細胞)を投与し,効果を検討する予定である.
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