研究課題/領域番号 |
03670655
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
今泉 宗久 名古屋大学, 医学部, 助教授 (90109322)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 肺癌 / 線維芽細胞 / 増殖促進因子 / リンパ節転移 / 制癌剤感受性試験 / ヌードマウス / チロシン特異的燐酸化 / 制癌剤感受性試験法 / 上皮性成長因子受容体 / 肺癌培養細胞 / ヌ-ドマウス |
研究概要 |
肺癌細胞と線維芽細胞間の複雑な相互作用について検討し、その臨床応用を試みた。用いた肺癌培養細胞は9種類、肺癌組織由来の線維芽細胞は12種類で、非担癌肺組織由来のものは2種類であった。これらの線維芽細胞のconditioned medium(C.M)を肺癌細胞に加え、肺癌細胞の増殖促進効果をMTTcolorimetric assay法により判定した。肺癌細胞9種類のうち5種類がいずれかの線維芽細胞のC.M.により増殖が促進され、EGFに対する反応と類似傾向であった。FCM分析から、C.M.は肺癌細胞のG_0.G_1期に作用して増殖が促進された。また、線維芽細胞の半数は肺癌細胞増殖促進効果を有し、この効果は非担癌肺組織由来のもののC.M.でも認められたが、腫瘍抑制効果はみられなかった。In vitroにおける線維芽細胞のC.M.の肺癌細胞増殖促進効果はヌードマウス移植腫瘍でもみられた。一方、肺癌患者より得られた線維芽細胞14種類のうち、6種類のC.M.によりLuci10肺癌細胞の増殖が促進された。In vitroの線維芽細胞の増殖促進効果とリンパ節転移との関係では、増殖促進能ある線縦芽細胞を有する6症例のうち1症例のみn_0症例であったが、5症例はn_2、症例で比較的早期より広範なリンパ節転移が認められた。また増殖促進効果と腫瘍径との間には関係がなかった。さらに、肺癌細胞において。EGFによる刺激でチロシン特異的燐酸化亢進がみられた。この燐酸化は肺癌手術症例25例中13例に正常肺より癌組織に強く観察され、リンパ節転移との関係でもn_0症例17例中6例、n_1,n_2症例8例中7例とリンパ節転移例にチロシン特異的燐酸化亢進が認められた。以上より、線維芽細胞の肺癌細胞に対する増殖促進効果および肺癌細胞におけるチロシン特異的燐酸化亢進とリンパ節転移との間に何らかの関与があり、個々の肺癌患者の線維芽細胞のC.M.のin vitroにおける反応から、個々の患者の予後をある程度予知することができると考えられた。
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