研究課題/領域番号 |
03670698
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
磯邉 靖 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (90176264)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 膜電位 / 膜電位依存性色素 / メソトレキセート / アドリアマイシン / カルシウムイオン / 感受性試験 / 評電位 / 神経芽細胞腫 / 骨肉腫 / メトトレキセ-ト / 細胞浮遊液 / 葉酸 |
研究概要 |
癌細胞浮遊液に膜電位依存性色素を添加すると、カルシウムイオンの存在下では、蛍光強度が急速に降下する現象がまずおこり、ついで一定の速度でゆっくりと低下することが昨年度の本研究によって明らかにされた。さらに蛍光強度が緩序に降下する相でMTXを添加すると、蛍光強度の低下すなわち膜電位の上昇が観察され、その添加直前の蛍光強度に対する変動幅はMTX濃度依存性であった。ヌードマウスへの戻し移植に成功しなかったため、in vivoでの本細胞の増殖抑制効果については明らかにし得なかったが、in vitroにおいて24時間曝露での増殖抑制が生じた。一方、アドリアマイシンを細胞浮遊液に添加した場合には蛍光強度の変動は検出されなかった。またin vitroでも、臨床的に得られる投与4時間後の血中濃度の4倍及び20倍の濃度に4時間曝露したが増殖抑制は起こらなかった。すなわち、膜電位変動の検出系はin vitroの感受性試験の結果を数十分で予測し得たといえる。この膜電異変動は、別の膜電位依存性色素で本細胞を染色し、ACAS570にてシャレー低面に付着した状態でも同様に観察し得た。以上の結果から本試験系が感受性試験として臨床応用へ敷衍し得るものであることが明らかになった。さらに蛍光強度の推移の態様は、カルシウムイオン濃度や細胞外マトリックスの影響をうける事も昨年度の本研究にて示唆されており、本試験系は、同一の癌でも局在によって感受性に差がみられる事実に対する理解の糸口を与え、DDSを含む新たな薬剤やプロトコールのデザインをする上でも一つの方法論として応用可能であるなど今後広範囲な領域で見直されるべきものであるといえる。試験対象となる抗癌剤の種類を広げ、またカルシウムイオンと膜電位の関わりについていま一歩詳細に検討することが、感受性試験のみならず動物実験の大替法として一般薬理学的方法論へと敷衍してゆくために必要と考えられた。
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