研究課題/領域番号 |
03670709
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
鳥巣 岳彦 大分医科大学, 医学部, 助教授 (70145382)
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研究分担者 |
藤原 亨 大分医科大学, 医学部, 助手 (90238634)
加藤 征治 大分医科大学, 医学部, 助教授 (60034956)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1991年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | HTLV-1 / HAAP / 滑膜 / 酵素組織化学 / 免疫組織化学 / 透過電子顕微鏡 / リンパ管 / HTLVー1 |
研究概要 |
1)抗HTLV-1抗体陽性者(carrier)の関節液中の白血球数は50-2000/mm、平均579/mmであり抗体陰性変形性関節症患者10症例(non-carrier)の50-1300/mm、平均315/mmと比べ高い値を認めた。またcarrierの関節液中には1-19%のATL様異常リンパ球を認め、末梢血中の0-3%に比べ有意に高い値であった。一方、関節液中のガンマグロブリン量、抗HTLV-1抗体価は末梢血のそれらと比べて低い値を示した。また関節症変化をX線学的に評価し比較検討したが、両群間に有意な差は認めなかった。2)関節滑膜の組織学的検索では、carrierの一部に滑膜の絨毛様、乳頭様増殖像を認め、軽度の細胞浸潤とリンパ球の集蔟像を認めたが、両群間に明らかな差異は認められなかった。また組織所見と抗体認めたが、両群間に明らかな差異は認められなかった。また組織所見と抗体価との関係についても、両者間で有意な関連性はなかった。免疫組織学的所見では、浸潤したリンパ球はほとんどがT細胞でありB細胞は極めて少ない。また集蔟部におけるT細胞のCD4/CD8比は両群とも1.0-2.5とCD4優位であった。HLA-DR抗原の発現は滑膜細胞、リンパ球の一部、血管内皮細胞および間質部の紡錘形の線維芽細胞の一部に認められたが、その程度は両群間で差異がなかった。3)共同研究者の加藤らの開発したリンパ管の酵素組織化学的同定法(5'-nucleotidase alkaline phosphatase二重染色法)を用いて関節滑膜のリンパ管分布について検索した。本法を用いることにより毛細血管と毛細リンパ管は鮮明に染別することができた。二ホンサルでは、膝関節滑膜リンパ管網は表層直下に存在する血管網より深層部に存在し、特に関節近位部の内側と外側に極めてよく発達していた。またヒトの膝関節滑膜リンパ管もサルと同様の分布状態を呈し、疎性結合組織部および脂肪組織部を被う滑膜には、よく発達した毛細リンパ管網の存在することが明らかとなった。4)慢性関節リウマチ患者の関節滑膜の検索を行った結果、滑膜の絨毛様増殖部位の浅層部には、著明に発達した血管網が存在するがリンパ管網の発達は著しく劣っていることが判明した。
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