研究課題/領域番号 |
03670728
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
立石 彰男 (1992) 山口大学, 医学部附属病院, 助教授 (00155102)
定光 大海 (1991) 山口大学, 医学部・附属病院, 講師 (10187164)
|
研究分担者 |
黒田 泰弘 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (80234615)
副島 由行 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (20206676)
佐貫 和俊 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (20235435)
前川 剛志 山口大学, 医学部附属病院, 教授 (60034972)
立石 彰男 山口大学, 医学部・附属病院, 助教授 (00155102)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 敗血症性脳症 / 脳波 / 多臓器障害 / アミノ酸代謝異常 / ルミノール依存性化学発光 / 好中球 / 塩酸ビフェメラン / ケミルミネッセンス / 聴覚誘発電位 / 経頭蓋的超音波ドップラ- / 内頚静脈酸素飽和度 |
研究概要 |
敗血症に伴う中枢神経障害いわゆる敗血症性脳症の脳循環、代謝動態および肝、腎、アミノ酸代謝異常との関係、さらに敗血症時の好中球機能について検討し、以下の成果をえた。 1、敗血症性脳症の脳循環、代謝と臓器障害 敗血症患者20例を対象に脳波(EEG)所見をHockaday I-II群とIII-IVに分類し、聴覚誘発電位(ABR)V波潜時を比較すると、両群に有意の差があり、敗血症性脳症ではEEGの悪化に伴ってABRのV波潜時も延長することが明らかになった。脳血流量、脳酸素消費量、経頭蓋超音波ドップラーによる中大脳動脈平均血流速度からは脳血流および代謝の低下が示唆された。肝機能(プロトロンビン時間;PT)、腎機能(血清クレアチニン濃度;S-Cre)、DIC(血小板;PLT)、アミノ酸(Fisher比;FR)はいずれも高度の障害を示したが、脳波異常と最も関連するのはアミノ酸代謝異常と腎機能障害であった。以上より、敗血症に伴う中枢神経障害は多臓器障害の一形態であることが示唆された。また敗血症による意識障害が遷延化した4例に塩酸ビフェメランを投与し、2例で意識レベルの改善がえられたことより、本薬物の効果は今後検討する価値があると思われた。 2、敗血症時の好中球の活性度 健康成人10例および敗血症急性期の患者11例の全血ルミノール依存性化学発光を測定し、両群の白血球数(WBC)、好中球数(東亜医療電子社製SYSMEXにて測定したLarge cell分画;LCC)、最大発光量(pCL)、最大発光までの時間(TP)、pCL/LCCを比較すると、いずれも両群間に有意の差が認められた。すなわち敗血症急性期では好中球の著増だけでなく、個々の好中球の最大発光量すなわち貪食能も亢進していることがわかった。好中球の化学発光量と脳波異常や臓器障害との関係は今後の課題である。
|