研究課題/領域番号 |
03670810
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
植田 広海 名古屋大学, 医学部, 講師 (20213358)
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研究分担者 |
服部 琢 名古屋大学, 医学部, 講師 (10172933)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 誘発耳音響放射 / forward masking / 耳小骨筋反射 / 強大音暴露 / 周波数分析 |
研究概要 |
人において、誘発耳音響放射(eーOAE)を指標とした2音提示を測定することにより、聴覚系における情報処理に対し抑制系がどのように影響しているかを検討した。2つの音を、forward maskingのかたちで提示し、信号音は1kHz25dBnHLのtone pipを用い、条件音(短音)との時間間隔及び、条件音の音圧を変化させることにより、信号音のeーOAEの振幅がどの程度変化したかを観察した。その結果は、条件音の音圧を変化させた場合、35dBnHL以上の音圧にて有意の振幅の低下が認められ、音圧が大きい程低下が著しくなった。また、65dBnHL以上では低下傾向がより著しくなり耳小骨筋反射の影響が示唆された。2音の時間間隔を変化させた場合、35dBnHLでは時間間隔が10ms以内で有意な振幅の低下がみられた。55dBnHLでは、40ms以下で有意な低下がみられ、75dBnHLでは160msでもなお有意な振幅の低下がみられた。以上より、eーOAEは音刺激により何らかの制御機構が作用することが示唆された。一方、モルモットを使用し強大音負荷前後のeーOAEを測定し、その変化を観察した。2kHz純音95dBSPLを3分間負荷すると、クリック音刺激によるeーOAEは直後に最大に低下し、その後徐々に回復したが、その回復の程度は蝸牛神経活動電位の変位と同様、極めて緩徐であった。eーOAEの周波数成分の変化をみると、負荷音の半オクタ-ブ上即ち3kHz周辺の成分の低下が他の周波数成分の低下より有意に著しかった。以上より、クリック音刺激によるeーOAEはかなりの周波数依存性をもつことが示唆された。
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