研究課題/領域番号 |
03670833
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
直井 信久 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (50211412)
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研究分担者 |
高梨 泰至 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (10226798)
松浦 義史 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (50173795)
林田 中 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (40164975)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 網膜色素上皮 / ERG / EOG / 明上昇 / adenosine / Na^+ / H^+交換系 / 細胞内pH / BCECF |
研究概要 |
われわれの目的は神経網膜の機能を網膜色素上皮がどのようにサポ-トしているか、またそれが病的状態においていかに変化することを解明する事であった。本年度の研究は大きく2つの柱に分けられる。一つはinーvitroニワトリ網膜ー色素上皮ー脈絡膜標本を用いた実験である。 本年度はアデノシンの効果を調べた。アデノシンを灌流液に加えると暗順応下の常在電位は5分後より増加し25分後にピ-クとなった。微小電極による測定で、以上の変化は網膜色素上皮に起因することが判明した。ERGc波は常在電位の増加と共に増大した。またアデノシンはEOG明上昇を抑制した。アデノシンは網膜が虚血におちいった時に増加することが知られているが、われわれの実験から、網膜がアデノシンを放出すると色素上皮に異常がなくても、色素上皮関連電位であるERGc波、EOG明上昇が変化を受けるという興味がある知見が得られた。 もう一つの柱は、pH感受性蛍光色素であるBCECFを用いた培養色素上皮細胞の細胞内pH測定実験である。本年度は、色素上皮に酸負荷を行いそこからの細胞内pHの回復過程を調べた。細胞外液のNa^+濃度を低下させたり、アミロライドを負荷すると酸負荷からの細胞内pHの回復が遅延することが判明した。これは網膜色素上皮細胞にNa^+/H^+交換系が存在し、細胞内のpHの調節、水素イオンの輸送を担っていることを示唆する。網膜色素上皮をはさんで神経網膜側は、pHが低い。このため神経網膜で発生した水素イオンを色素上皮が脈絡膜側にくみ出すかあるいは中和しなければならないが、我々の研究からNa^+/H^+交換系がその一部を担っていることが判明した。
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