研究課題/領域番号 |
03670834
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
上原 文行 鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (30168653)
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研究分担者 |
鵜木 一彦 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (60193926)
鮫島 宗文 鹿児島大学, 医学部, 助手 (80041333)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1991年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 網膜光受容体間基質 / 光応答 / 視細胞変性 / シアル酸 / α2・6シアリルトランフフェラーゼ / mRNA / 電気抵抗 / α2-6シアリルトランスフェラーゼ / 光波長 / 遺伝性視細胞変性 / ラット / マウス |
研究概要 |
1.緑色光および青色光照射ではラットの光容体間基質の光応答が発現するのに対し、赤色光照射では発現しないことから、光受容体間基質光応答の発現に関与しているのは、杆体視細胞であることが示唆された。 2.ラットの明・暗順応網膜の光受容体間基質について電顕的に検索したところ、顆粒状の成分が、暗順応網膜では視細胞外節部全体にわたってびまん性に分布するのに対し、明順応網膜では色素上皮細胞突起表面に集積する像が検出された。すなわち光受容体間基質の分布が明暗で変化することが電顕的にも証明できた。 3.遺伝性視細胞変性マウス網膜では、視細胞外節が形成されないか、あるいは中等度以上変性した時点で、光受容体間基質の光応答が消失することから、その発現に正常外節の存在が必要であることが判明した。 4.N-グリコシド結合型糖鎖末端にシアル酸を付加する酵素であるβガラクトシドα2-6シアリルトランスフェラーゼのmRNAに相補的なRNAプローブを用い、ラット網膜の発現についてin situ hybridization組織化学的に検索したところ、光受容体間基質光応答が初めて観察される生後16日目に一致して増加している像が検出されたことから、N-グリコシド結合型糖鎖末端のシアル酸が、光受容体間基質の光応答の発現に重要な役割を果たしている可能性が高いことが判明した。一方、暗順応に比べ明順応網膜視細胞でそのmRNAの発現が増加している像が同定されたことから、2相性光応答の後半部分、すなわち明順応網膜の内節周囲の光受容体間基質成分の分布が光で増加するのは、光に応答して新しくその合成が増加したためであることが判明した。 5.杆体視細胞周囲の光受容体間基質の電気抵抗は、錐体視細胞周囲に比べ低いことが判明したことから、杆体外節の過分極の変化は、光受容体間基質を介して、隣接杆体外節へ伝達される可能性が示唆された。
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