研究課題/領域番号 |
03670850
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
立花 民子 岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (10089386)
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研究分担者 |
TACHIBANA Tamiko Iwate Medical University, Sch.Dentistry, Assistant Professor (10089386)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 機械受容器 / マイスネル小体 / メルケル小体 / Ca^<++> / Ca^<++>2pamp / Mg^<++>-ATPase / Trifluoperazine / Amiloride / Ca^<++>-ポンプ / Na^+ / Ca^<++>exchanger / 口腔粘膜 / Ca^<++>ーATPase / 組織化学 |
研究概要 |
口腔粘膜に分布する機械受容器には、層板性の被覆を持つものとそうでないものとがあり、前者は電気生理学的に速い順応性を示すのに対し後者は遅い順応性を示す。この違いをもたらす要因がその構造のどこにあるのかは解明されていない。今回の助成による研究では、口蓋粘膜に分布する速順応性受容器であるマイスネル小体と遅順応性のメルケル小体におけるカルシウムイオンの動態とその排泄機構について形態学的に比較した。その結果、いづれの受容器においても機械刺激によって多量のカルシウムが神経終末内に流入することが証明された。長期にわたるカルシウムイオンの細胞質内滞在は細胞にとって有害であることから、こうしたカルシウム流入には速やかな排泄機構が伴っていなければならない。本研究では、その候補の一つとしてCa^<++>-ATPaseを考え、その種類と活性を組織化学的に調べた。その結果、マイスネル小体の神経終末の細胞膜にCa^<++>-pump ATPaseの強い活性を認め、さらにtrifluoperazineによるカルシウム排泄阻害を実験的に確認出来たので、この小体の神経終末にはカルシウムポンプが存在すると考えられた。なお、マイスネル小体では層板性の被覆にも機械刺激と関連すると思われるカルシウムの出入りが認められ、その排泄または流入に関与すると思われるCa^<++>/Mg^<++>-ATPaseの強い活性が層板の細胞膜に検出された。メルケル小体ではCa^<++>-pumpATPaseの活性が弱く、神経終末からのカルシウム排泄はカルシウムポンプ阻害剤であるTrifluoperazineによって阻害されないので、その終末におけるカルシウム排泄はカルシウムポンプ以外の機構によって支配される可能性が強い。メルケル小体の終末ではAmilorideによってカルシウム排泄が阻害されることが実験的に認められたことから、ここではNa^+/Ca^<++>exchangerが働らいている可能性が示唆され、今後の研究課題と考えられた。
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