研究課題/領域番号 |
03670874
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
|
研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
木崎 治俊 東京歯科大学, 生化学構座, 教授 (60051653)
|
研究分担者 |
大西 芳秋 東京歯科大学, 生化学講座, 助手 (60233219)
東 祐太郎 (東 裕太郎) 東京歯科大学, 生化学講座, 助手 (80231918)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1991年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | アポトーシス / 胸腺細胞 / 白血病細胞 / 唾液腺癌細胞 / KB 細胞 / アポト-シス / KB細胞 |
研究概要 |
形態組織形成、生体防御に関連して観察される生理的細胞死(アポトーシス)は、生物学的にも医学的にもその重要性が注目されている。アポトーシスの多くの初期過程に見られるDNAのリンカー域での切断、すなわち特定のエンドヌクレアーゼの活性化を指標として、(1)生体防御に関与するT細胞の分化過程におけるアポトーシスの誘発、制御因子、細胞内情報伝達機構、エンドヌクレアーゼ活性化機構の解析。(2)ヒト唾液腺癌細胞(HSG)、扁平上皮癌細胞(KB細胞)でのアポトーシスの誘発制御機構を白血病細胞と対比して行った。その結果、(1)胸腺組織形成(T細胞レパートリー形成)にはアポトーシスによる自己反応性細胞の除去が極めて重要であり、多様な因子により複雑な細胞内情報伝達系のクロストークにより制御されている。(2)代謝拮抗剤Ara‐Cは膜リン脂質代謝障害を介し、細胞内情報伝達機構とクロストークしアポトーシスを誘発する。これらは全て遺伝子発現に依存していた。そこで遺伝子発現の解析のためDNAトポロージーに直接作用するトポイソメラーゼ阻害剤により検討した。トポイソメラーゼ阻害剤により細胞死に必須なタンパクリン酸化に関与するタンパクが新しく発現されることが示唆された。(3)白血病細胞(RVC)はAra‐Cやトポイソメラーゼ阻害剤により典型的なアポトーシスが誘発されたが、HSG細胞はアクチトマイシンDにより電顕像ではアポトーシスであるがDNA切断はみられず、異った機構の存在が示唆された。表皮細胞のプライマリーカルチャーではDNA切断による細胞死がみられたが、KB細胞ではアポトーシスは誘発されず、癌化によるアポトーシス過程の変異、またはアポトーシス阻害因子の存在が示唆された。 以上、生理的な細胞死が壊死とは異った能動的な過程であり、しかも極めて多様な機序が示唆され、今後さらにその分子機構の解明を行いたい。
|