研究概要 |
最適のアゴニストを選択する必要があったので2型を発現する3種類のフエノールアミンについて検索し,3編を外国誌に投稿した。次いでgamma型を発現する4種類の2-イミダゾリン系薬物を検索し、1編を外国誌に投稿した。さらに,老齢化ラットは2年間もの日時を要するので,比較的老齢化の早いMRL/lマウスを用い4〜30週齢まで検討した。その結果,MRL/lマウスでは老齢化に伴いシスタチンがピロカルピン刺激唾液中に異常に増加することが明らかになった。MRL/lマウスの各臓器の組織学的検討と唾液タンパク質については2学会において公表した。また,シスタチンの分取は経済的理由からddYマウスを用いて行った。酸性(MSC-A)と塩基性(MSC-B)の2種類のシスタチンを分離・精製できた。MSC-AとBとの等電点は4.6と9.1で、分子量は12,900と14,500であった。次いで両シスタチンのN末端のアミノ酸配列を決定し,ラットやヒトシスタチンのものとホモロギ-を比較した。さらに、両シスタチンの唾液腺での局在等を明らかにし論文にした。また,重要部分はBiochim.Biophys.Actaに投稿を予定している。さらに,涙腺や腎臓での局在性も検討した(投稿予定)。2年間では完成できなかったが,現在も研究を続けこれらのシスタチンとリンパ球の相互関係に非常に興味を覚える結果が得られている。この両シスタチンはMRL/lマウスの各臓器へのリンパ球の浸潤の促進あるいは抑制のどらかに関与していることが示唆されており、最終的には培養リンパ球を用いて、その分化・増殖機構とシスタチンの関係を明らかにするつもりである。
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