研究課題/領域番号 |
03670909
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
本郷 敏雄 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (60142444)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | フォルムアルデヒド / 腎細胞 / 歯根膜細胞 / MTT法 / ニュートラルレッド法 / 細胞内カルシウムイオン濃度 / (H^++K^+)-ATPase / フリーラジカル / 細胞毒性 / 歯科消毒薬 / 歯科金属材料 / 細胞内カルシウムイオン / 骨細胞 / フォルマリン / 活性酸素 / (Na^++K^+)ーATPase / (H^++K^+)ーATPase |
研究概要 |
歯科材料・歯科消毒薬などの細胞毒性発現機序の解明を目的として腎由来のJTC-12細胞,MDCK細胞と歯根膜由来のPL細胞を用いて根管消毒薬の主成分であるフォルムアルデヒド(FA)について各種生化学的手法を用いて検討した。細胞毒性試験法である乳酸脱水素酵素(LDH)法、MTT法及びニュートラルレッド(NR)法とをFAの毒性について用いた場合の妥当性について検討したところMTT法とNR法が有用であった。FAでは障害の程度はMTT法ではPL細胞>JTC-12細胞>MDCK細胞の順に大きくなり、NR法ではPL細胞≧MDCK細胞>JTC-12細胞の順に大きくなった。腎由来の細胞でもFAによる細胞毒性発現の作用機序は異なり、毒物や歯科材料の毒性評価には細胞毒性試験に使用する細胞を選択する必要があると考えられる。JTC-12細胞ではFAによる細胞毒性の作用機序は一義的にはFAがまず形質膜に作用し、その作用部位は主にイオン輸送を担う膜酵素に作用すると共に細胞外から細胞内へカルシウムイオンが流入し、細胞内外の各種イオン濃度のバランスが崩れて細胞障害を惹起すると考えられるが、その毒性発現には少なくとも過酸化脂質やスーパーオキシドアニオンラジカル(SOAR)などの関与は少ない。一方、MDCK細胞ではJTC-12細胞と同様に形質膜に作用し、その作用部位はイオン輸送を担う膜酵素やperipheralな酵素を抑制すること、並びに形質膜の過酸化脂質量が増加することで形質膜の膜脂質で膜のperturbationを惹起して、膜の構築性を破壊し、更に細胞質に流入したFAもしくはその刺激でSOARが生成され、細胞障害を惹起すると考えられる。この生成されたSOARが細胞内膜系に作用し、(H^++K^+)-ATPaseが存在すると考えられる小胞体膜が破壊され(H^++K^+)-ATPaseが活性化されると(H^++K^+)-ATPase由来のプロトンが生成され、その近傍にあるSOARと反応して、毒性の強いヒドロペルオキシラジカルが生成され細胞障害が惹起される可能性も考えられる。
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