研究課題/領域番号 |
03670921
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
塩山 司 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (80128917)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 硬質レジン / 有限要素法 / 生物学的安全性試験 / インプラント上部構造 / 衝撃吸収能 |
研究概要 |
インプラントは上部構造への荷重が骨に直接的に伝達される。このことから歯冠材料に緩衝作用を与えてインプラントおよびその周囲組織に加わる衝撃力を減少させるため上部構造を検討することが重要と考え、衝撃吸収能を有するレジンの開発を試みながら、理工学的な性質、生物学的安全性、臨床に応用すべく準備のために有限要素法により応力解析を行った。理工学的には、エナメル・デンティン層用は、Isosit Nと比較して曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃荷重試験、磨耗試験、歯ブラシ磨耗試験、重合収縮試験で優れていた。また、THERMORESINと比較すると磨耗試験、歯ブラシ磨耗試験で優れていた。中間層用レジンでは、圧縮強度、曲げ強度、硬度、衝撃荷重値、磨耗試験、重合収縮量において低い値を示した。理工学的な数値では十分となったが、歯科技工的な操作性の点でやや問題が残った。生物学的安全性試験では細胞毒性試験ではミリポアフィルター法を応用し陰性対照のガラスリングと同等の染色性でスコアーは0であった。感作性試験ではマキシミゼイションテストに準拠して行った結果、すべての試験例において、紅班、浮腫等の異常所見は認められなかった。頬粘膜刺激試験はANSI/ADA Documento No-41-1979に準じて行った。その結果、観察したすべての試験例について、炎症、潰瘍等の異常所見は認められず、周囲粘膜との差も認められなかった。これらのことから生物学的評価は問題がなかった。有限有素法による歯冠部の応力分布については荷重角度の変化による応力値の増加は金属冠と比べるとレジン冠のほうが大きくなっている。荷重方向がインプラント体の中央部に向うと応力集中部位が減少した。応力集中は歯冠の大きさに比例するものではなく荷重点の位置と荷重方向が影響することがわかった。以上のことから、新しく開発したレジンは衝撃吸収能を有し、インプラントの上部構造として有用であることがわかった。
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