研究概要 |
シリコ-ンゴムとアクリルレジンとの接着を発展させて,シリコ-ンゴムによる金属床のリライニングをも可能にするために,シリコ-ンゴム床用金属(CoーCr合金,NiーCr合金,および純チタン)に接着させることを目的とした.4ーMETモノマ-とMMAモノマ-との共重合体をプライマ-として,シリコ-ンゴムをアクリルレジンに接着させる(MMA/γーMPTDMS)コポリマ-を含有する接着剤を用いたとき,CoーCr合金に対して乾燥時49kgf/cm^2の引張り接着強さを得たが,4℃と6℃の水中に各1分間保つサ-マル・サイクリングを500回行う耐水試験に接着試験体は耐えなかった.次いで,(MMA/4ーMET)コポリマ-と(MMA/γーMPTDMS)コポリマ-との混合溶液を接着剤として用いたところ,混合ポリマ-中の(MMA/4ーMET)コポリマ-の割合が高いほど引張り接着強さは低下し,(MMA/γーMPTDMS)コポリマ-のみを用いたときに,もっとも高い接着強さを示した.すなわち,シリコ-ンゴムとアクリルレジンの接着剤ポリマ-である(MMA/γーMPTDMS)コポリマ-は,シリコ-ンゴムと金属との接着にも有効であることが明らかになった.この接着剤を用いたとき,乾燥時にはCoーCr合金,NiーCr合金,および純チタンのいずれの金属もシリコ-ンゴムに対して良好な接着を示し,それぞれ,48,44,41kgf/cm^2の引張り接着強さを示した.しかし上記の耐水試験を行うと,CoーCr合金,NiーCr合金,純Ti金属のいずれも接着強さが低下し,それぞれ,35,37,26kgf/cm^2の引張り接着強さを示した.ただし,サンドブラスト処理を行えば耐水性が向上し,耐水試験後もそれぞれ,46,45,35kgf/cm^2の引張り接着強さを示した.
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