研究課題/領域番号 |
03670949
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
|
研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
久保田 英朗 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (50170030)
|
研究分担者 |
片野 光男 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (10145203)
黒河 博之 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (70225283)
中川 泰年 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (20217681)
後藤 昌昭 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (10145211)
香月 武 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (70038868)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1992年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 同種異型脾細胞 / キラー細胞 / 抗腫瘍性サイトカイン / 養子免疫療法 / 頭頸部癌 / 頭頚部癌 / 臨床免疫学 / 脾臓細胞 / キラ-細胞 / 口腔癌 |
研究概要 |
ヒト溶連菌製剤OK-432は単核球にNK,LAK様の細胞傷害活性を与えると同時に、単核球は様々なサイトカインを産生、分泌するようになる。このOK-432処理単核球(OK-MC)の細胞性一液性両面からの抗腫瘍効果を期待して、われわれは、腫瘍局所にOK-432処理単核球を注入する養子免疫療法(AIT)を行なうべく研究をすすめた。平成3年度では、手術時摘出し凍結保存しておいた脾臓細胞からも、OK-432刺激で口腔癌患者から採取した新鮮腫瘍細胞を効率良く傷害するNK,LAK様のキラー細胞とInterferon γ(IFN γ)やtumor growth inhibition factor(TGIF)等の抗腫瘍性サイトカインが誘導できること、しかもこのTGIFとIFNγは同時に存在すると相乗的抗腫瘍効果を発揮することを見いだした。また、すくなくとも凍結一年後までは、脾臓細胞のキラー活性およびサイトカイン産生能は良好に保存された。平成4、5年度では、実際に口腔癌患者を対象として、放射線治療と化学療法を併用した術前複合療法の一つとして、OK-432処理自己末梢血単核球(OK-MC)あるいは脾臓細胞(OK-SP)を腫瘍支配動脈からの動注法または腫瘍内局注法により投与し、その臨床効果を検討した。その結果、OK-MCを投与した症例の35%(6/17)にCR、53%(9/17)にPRの臨床効果を得た。また、病理組織学的にも下里の分類でCR症例の83%,PR症例の45%にGradeIVの高い治療効果を得、これらの腫瘍周囲に強い単核球浸潤を認めた。一方、OK-SPを投与した2症例のうち1例にPR、もう1例にMRの臨床効果を認め腫瘍マーカーの著明な低下を認めた。同種異型(allogeneic)リンパ球を移入したこれらいずれの症例にも、ドナーリンパ球の増殖による移植片対宿主病(GVHD)の兆候は認められず、allogeneic脾臓細胞を利用した局所投与によるAITの有効性と安全性が示された。
|