研究課題/領域番号 |
03671009
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 東北薬科大学 |
研究代表者 |
広井 邦雄 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (00012641)
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研究分担者 |
福田 明子 東北薬大, 薬学部, 助手
高桑 久枝 東北薬大, 薬学部, 助手
伊藤 直子 東北薬大, 薬学部, 助手
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1991年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 不斉合成 / パラジウム触媒 / π-アリルパラジウム錯体 / α-アミノ酸 / (S)-プロリン / 不斉アリル化反応 / 不斉環化反応 / 不斉炭素-炭素結合形成反応 / キラルエナミン / リン配位子 |
研究概要 |
光学活性のアリルエステル類をアリル化剤とし、これにパラジウム触媒下求核試薬を作用すると、不斉アリル化反応をおこすことを初めて認めた。これを一般的な不斉アリル化法として確立するために、種々の系を用いて検討した結果、以上のような点が明らかとなった。 光学活性のアリルエステルとして容易に入手可能な(S)-プロリンから導かれる(S)-プロリンアリルエステルをアリル化剤とし、分子を固定するためにこれから導かれるエナミン系でパラジウム触媒反応を行うと、求核試薬としてエナミン部が分子内で反応し、高エナンチオ選択的に光学活性のα-アリルカルボニル化合物を与えることを見出した。 その他の光学活性のα-アミノ酸として(S)-バリン,(S)-ロイシンを不斉源とし、それから導かれる光学活性のアリルエステルとカルボニル化合物から得られるイミンで同様にパラジウム触媒反応を行うと、高エナンチオ選択的に不斉アリル化反応を行うことができる。 さらに、光学活性のα-アミノ酸アリルエステルのヒドラチン体から導かれるヒドラゾンの系でも、同様に高エナンチオ選択性を実現することができた。 また、分子内にホスフィン基を有するキラルエナミンにパラジウム触媒反応を行うと、ホスフィン基が分子内配位子として作用し、高エナンチオ選択的に不斉アリル化反応を行うことを認めた。この際に、アリル化剤の陰イオン部が不斉発現に立体電子的効果を与えることを明らかにした。 アリル化剤を分子内に含むキラルエナミン系にパラジウムを作用すると、分子内不斉アルリ化反応をおこし光学活性の環状化合物を与える。 これらのパラジウム触媒による不斉炭素-炭素結合形成反応を用いて、インドールアルカロイド、モノテルペン類の不斉合成を行った。
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