研究課題/領域番号 |
03671034
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
佐藤 三男 帝京大学, 薬学部, 教授 (70101714)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 低スピンヘム錯体 / 低対称場主軸 / gテンソル主軸 / 超微細テンソル主軸 / 低スピンヘムのESR / 軸配位子の回転配向 / 不対電子の分布方向 / 低スピンヘム |
研究概要 |
1.配向角度の一般的関係式の導出.低スピンFe(III)ヘム錯体における低対称場主軸、gおよび超微細(hf)テンソル主軸のヘム座標系に対する配向角度の一般的関係式を導出し、「gテンソル主軸は低対称場の固有関数から定まる」こと、および「hfテンソル主軸は低対称場およびスピン軌道相互作用を考慮したゼロ磁場における固有関数から定まる」ことを明らかにした. 2.軸配位子の回転配向との関係.軸配位子の回転配向は、直接的には低対称場主軸の角度配向を定めるが、はれによって、gおよびhfテンソル主軸方向や電子分布方向も決められるので、軸配位子の配向が低スピンヘム錯体の電子状態と反応性を支配することになる. 3.C_2対称性錯体の新しいg値解析法.C_2対称性錯体では、各主軸はヘム座標z軸の回りに回転配向するので、各主軸の相対配向を考慮したg値解析が可能である.この方法によれば、凍結溶液試料についてもg主軸方向のhf分裂値が測定されれば、各主軸の相対配向と不対電子の分布方向を決めることができる. 4.実測データへの応用.アジドミオグロビン(MbN_3)およびモデル低スピンヘム錯体のESRデータを解析して、低対称場主軸、gおよびhfテンソル主軸の配向角度を決め、軸配位子の角度配向および異方性π結合の効果が不対電子分布方向を支配的に決めていることを明らかにした. 5.反応性との関係.軸配位子の回転配向が不対電子分布方向をはじめ、各主軸の角度配向を決めるので、ヘム錯体の電子状態と反応性に密接に関わる.具体例を実験的に検索中である.
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