研究課題/領域番号 |
03671040
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
|
研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
藤井 博匡 (財)東京都臨床医学総合研究所, 炎症, 研究員 (70209013)
|
研究分担者 |
柿沼 カツ子 (財)東京都臨床医学総合研究所, 炎症, 研究員 (30109946)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | スーパーオキシド / 活性酸素 / pHジャンプ / ESR / ニトロソ化合物 / ス-パ-オキシド |
研究概要 |
本研究では、医学、生物学的に重要視されている活性酸素の内、近年最も重要視されているスーパーオキシドラジカル(O_2)を複雑な生物系においても測定しうる、pH-Jump法によるO_2自動測定システムを開発、製作した。本自動測定システムは、(1)試料のサンプリング、(2)アルカリ液を用いたpH-jumpによるO_2の安定化、(3)液体窒素温度での試料の固化、(4)ESRによるO_2の定量に至る一連の操作を自動的に行うもので、各ステップは、コンピューターでコントロールされている。 生物系から産生されたO_2は、不均化反応により過酸化水素に変わっていくが、本システムでは、系に定常的に存在するO_2を定量することが出来、この点が既存の方法と異なる点である。この特徴を利用して、刺激白血球から一定時間に産生されたO_2をシトクロムc還元法で測定し、本法によりO_2の定常濃度を測定した結果、大部分のO_2が過酸化水素に変換されており、水溶液系で産生されたO_2の寿命は非常に短いことが明かとなった。本方法のもう一つの利点は、従来のシトクロムc法では測定が不可能な系でのO_2の測定が可能なことで、シトクロムcを直接還元する白血球のNADPH酸化酵素のO_2産生能を、本方法で評価できた。その結果FADを有するNADPH酸化酵素は、基質から2個の電子を受け取り、酸素に一電子ずつ渡すdehydrogenase-electron transferase型で、酸素に二電子渡すoxidase型ではないことを明らかにした。 以上の研究以外に、生体内に取り込まれた化学物質から産生されるO_2を本方法により評価した。我々は、ニトロソベンゼンやニトロソトルエンなどのニトロソ化合物が体内に混入されると、体内の還元物質によりニトロソ化合物がhydronitroxideラジカルに還元されることを見いだしこれらのラジカルから酸素に1電子渡り、O_2が産生されるのをpH-jump法を用いて明らかにすることが出来た。
|