研究課題/領域番号 |
03671059
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
竹石 桂一 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (90012608)
|
研究分担者 |
堀江 信之 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助手 (70209287)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | チミジル酸合成酵素 / ヒト遺伝子 / 細胞増殖必須遺伝子 / 細胞分化 / 核内因子 / DNA結合蛋白質 / CATアッセイ / ヒト遣伝子 / 細胞増殖必須遣伝子 |
研究概要 |
我々はヒトチミジル酸合成酵素(TS)遺伝子の5'上流域に結合する蛋白質性核内因子として、少なくとも3種類(NF-TS1、NF-TS2及びNF-TS3)をすでに同定している。また、それらのうち、NF-TS2はヒト前骨髄性白血病細胞(HL-60細胞)の活性型ビタミンD_3による分化に伴って減少するのに対して、NF-TS3は増加することを見出した。 本年度は先ず核内因子の精製を試みたが、NF-TS2とNF-TS3は非常に失活し易く、精製が因難であったので、それらの機能を中心に解析した。第一に、核内因子NF-TS2及びNF-TS3と細胞の増殖性との関連性について検討した。そのために、ヒト末梢血のT細胞をPHAとIL-2で処理することによって、分化の場合とは逆に、細胞を増殖停止状態から増殖状態に移行させる実験系を用いて調べた。その結果、IL-2処理前後のT細胞の主な核内因子はNF-TS2で、有意な量的変化はなく、NF-TS3は検出されなかった。この結果は、上述のHL-60細胞を分化させた時の結果と全く異なり、NF-TS2及びNF-TS3と細胞の増殖性との間には一般的な関連性はないことが示された。次に、これらの因子の遺伝子発現における機能を探るため、ヒトTS遺伝子のプロモーター領域を含むが核内因子の結合部位を欠失させたDNA断片と、欠失させていない断片とを用いてCAT(クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ)アッセイを行なった。CATアッセイ用プラスミドをHeLa細胞にトランスフェクトした場合、核内因子の結合部位を含むDNA断片はCAT活性を促進したのに対して、そのプラスミドをTIG-1細胞にトランスフェクトした場合、同じDNA断片がCAT活性を抑制した。そのDNA断片に結合する主な核内因子は、HeLa細胞ではNF-TS2であり、TIG-1細胞ではNF-TS3であること、及び上述のCATアッセイの結果から、NF-TS2はヒトTS遺伝子の発現に対し促進的に作用するのに対し、NF-TS3は抑制的に作用することが示唆された。
|