研究課題/領域番号 |
03671074
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
米田 幸雄 摂南大学, 薬学部, 助教授 (50094454)
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研究分担者 |
荻田 喜代一 摂南大学, 薬学部, 助手 (90169219)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | NMDAレセプタ- / グルタミン酸 / グリシン / ポリアミン / イオンチャネル / CA^<2+>イオン / 脳シナプス膜標品 / 結合初速度 |
研究概要 |
NーメチルーDーアスパラギン酸(NMDA)を介するトランスメンブランコントロ-ル機序解明の目的で、各種放射性リガンドを用いた結合実験法による生化学的解析を行い、以下の研究成績を得た。ラット脳より調製したシナプス膜標品に低濃度Triton Xー100前処理を含む洗浄操作を加えると、アロステリックアンタゴニストである[ ^3H](+)ー5ーmethy1ー10,11ーdihydroー5Hーdibenzo[a,d]cycloheptenー5,10ーimine(MKー801)の結合はほぼ完全に消失した。この時反応液にアゴニストであるLーグルタミン酸(Glu)を添加すると、同結合は10nM以上のGluの濃度範囲では濃度依存的に増加した。グリシン(Gly)の添加は結合をさらに濃度依存的に増強したが、両アミノ酸添加条件下に内在性ポリアミンの一つであるスペルミジン(SPD)を添加すると結合は未洗浄膜標品の場合と同一レベルにまで回復した。しかしながら、GlyやSPDの単独添加条件下では結合は殆ど著明な変化を示さなかった。アゴニスト類を添加しない場合には結合は非常にゆっくりと経時的に進行し、反応開始後24時間を経過しても結合は平衡状態に到達しなかった。Gluの添加により結合の初速度が著明に促進されて、反応開始後約5時間後には結合は平衡状態レベルに到達した。Glyの添加はさらに結合初速度を促進して、Glu/Gly共存下では反応開始後2時間以内に結合は平衡状態に到達したが、その平衡状態レベルはGlu単独添加条件下レベルとの間に有意な変動を示さなかった。これに対して、SPDはGlu/Gly共存下の結合初速度には著変を与えずに平衡状態レベルを約2倍に上昇させた。これらの結合増強作用はいずれの添加条件下においても、NMDAアンタゴニストやGlyアンタゴニストの添加により有意に拮抗された。以上のように、[ ^3H]MKー801結合がNMDAチャネル開放度の生化学的指標となること、およびGluやGlyの場合とSPDの場合とではそのNMDAチャネル開放促進作用メカニズム間に明白な相違点が観察されることが明かとなった。
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