研究課題/領域番号 |
03671106
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
坂本 忍 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (80107317)
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研究分担者 |
岡本 良平 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (00013912)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | DNA合成系酵素 / チミジレ-ト・シンタ-ゼ(TS) / チミジン・キナ-ゼ(TK) / 組織学的分化度 / 高分化型癌 / 低分化型癌 |
研究概要 |
ピリミジン代謝のサルベ-ジ経路に位置するDNA合成系酵素チミジン・キナ-ゼ(TK)は、胎児組織、腫瘍組織など増殖の盛んな細胞でその活性の増加していることが知られている。我々は、昭和57年度、59年度、62年度、63年度、平成2年度の文部省科学研究費の援助を得て、正常大腸には存在しない特異な胎児型のTKアイソザイムが家族性大腸ポリポ-ジス・ポリ-プおよび大腸癌では高率に誘導されることを報告してきた。さらにヒトおよびラット実験大腸癌では、組織学的に分化度の高いもの程、TK活性が高く、また胎児型のアイソザイムの存在する傾向の強いことが認められた。また、デ・ノボ経路に位置するDNA合成系酵素チミジレ-ト・シンセタ-ゼ(TS)もTK同様増殖の盛んな細胞でその活性が増加しているが、ヒト胃癌ではTK/TS比の低いもの程分化度が低く、ヒト白血病でも骨髄細胞のTK/TS比の低いもの程、難治性である傾向が認められた。そこで今回、平成3年度の文部省科学研究費(No.03671106)の援助を得て、癌細胞におけるTSおよびTKの意義、TK/TS比と組織学的分化度・難治性さらにその治療法の開発等について検討したところ、 1.DMH誘発ラット実験大腸癌では、TK/TS比の低いもの程、組織学的分化度が低く、また、低分化型腺癌は、フッ化ピリミジン系抗癌剤の投与に良く反応することが、実験的に確かめられた(第29回日癌治学会、大阪、1991)。 2.SHNマウス自然発生乳癌においても、フッ化ピリミジン系抗癌剤の投与によって、乳癌前癌状態であるHANの発生が、TS,TKを介して抑えられることが認められ(第31回乳腺・泌乳研究会、東京、1991)、3'ーMeDAB誘発ラット肝癌同様DNAデ・ノボ合成を抑えることが発癌抑制のメカニズムへ通じる可能性が強く示唆された。
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