研究課題/領域番号 |
03671116
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
須藤 加代子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90115486)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 乳酸脱水素酵素 / サブユニット欠損 / 遺伝子変異 / コンピューター解析 / 点変異 / ミスマッチPCR / DNA多形 / 未熟終了 / 末熟終了 / LDHーH(B)サブユニット / 欠損症 / 遺伝子解析 / アイソザイム / PCR法 / コンピュ-タ-グラフィック |
研究概要 |
我々はヒトLDH-Hサブユニット遺伝子にトランジション2種、トランスバージョン4種、欠落/重複3種の計9種の遺伝的変異をみいだした。解析には全血からgenomicDNAを調整後、蛋白質をコードする7コのエクソンをそれぞれpolymerase chain reaction(PCR)増幅し、さらにsingle strand conformation polymorphism(SSCP)分析の改良法(polyacrylamide gradient gel泳動後銀染色により検出するDNA多形解析)を開発して用いた。正常Hサブユニットと異なる泳動像を示すエクソンの塩基配列を測定し変異を確認した。確認された変異に対してはdirect gel assay,ミスマッチPCR、amplification refractory mutation system(ARMS)等を活用し、放射性同位元素および煩雑なhybridaization法を使用せずに簡便に検出する方法を確立し、スクリーニング、家族検索等に応用した。次いで、これらの遺伝子異常がLDH分子に及ぼす影響を推定するために変異部位をコンピューターシュミレーションによって解析した。4種の活性欠損の原因となるミスセンス変異はLDH分子の機能に重要な基質結合部位、補酵素結合部位、サブユニット結合部位にあり、種およびアイソザイムをこえて保存された配列に生じていた。一方、電気移動度に変化を及ぼすミスセンス変異は、サブユニット分子表面に位置しており、活性に影響を与えない表現型と一致していた。すなはち、遺伝型から表現型の類推も可能と考えられた。ナンセンス変異、2種(8bpと4bp)の重複変異、1bpの欠落変異は未熟終了をひきおこし、蛋白として不完全になるため合成されても速やかに代謝、分解されるために欠損として発現するものと考えられた。複数例が同じ変異であったのは1種にすぎず、他はみな個々異なっていた。
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