研究課題/領域番号 |
03671137
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小田原 雅人 東京大学, 医学部・(病), 助手 (00224254)
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研究分担者 |
門脇 孝 東京大学, 医学部・(病), 助手 (30185889)
春日 雅人 神戸大学, 第二内科, 教授 (50161047)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | インスリン受容体 / インスリン受容体異常症 / 自己リン酸化 / チロシンキナ-ゼ / transphorylation仮説 / インスリン受容体遺伝子 / インスリン抵抗性 |
研究概要 |
インスリン受容体キナ-ゼ活性の低下が認められた、インスリン受容体異常症の患者、及びその母親のEBウイルス変異リンパ球(EBVーTL)を用いて、インスリン受容体キナ-ゼの活性化機構について、検討を加えた。発端者のインスリン受容体キナ-ゼは、低下が認められたが、母親に於ても同様のキナ-ゼの低下が認められるか否か、またその程度は、どの位かを調べた。同時に受容体の自己リン酸化の程度により、受容体キナ-ゼの活性化のメカニズムの解明を試みた。発端者のインスリン受容体遺伝子は、Gly^<996>ーVal^<996>のheterozygoteであり、発端者も同様のmutationを有することが確認され、キナ-ゼ活性も同様の低下が、予想された。インスリン刺激により発端者の母のインスリン受容体は、自己リン酸化を受けるが、その程度は、正常対照と比べて約50%に低下しておりmutationによる片方のβサブユニットの燐酸化障害が考えられた。一方Histone2Bを用いた、キナ-ゼ活性の測定により、母親のインスリン受信体は、正常対照の約4分の1程度しか、キナ-ゼ活性を有しないことが判明した。 インスリン受容体のβサブユニットは、自己リン酸化を受けたあと、transphosphorylationにより、対側の受常体のβサブユニットのキナ-ゼが活性化されるという仮説が提唱されている。細胞膜上のwied Typeのholoreceptorは、全体数の1/4存在し、自己リン酸化、キナ-ゼ活性共100%有しており、mutantのholoreceptorは、同じく、数で1/4,リン酸化、キナ-ゼ共0%と考えられる。我々の実験結果より、mutantとwild typeのhybrid receptorは1/2の数で、自己リン酸化は、50%、キナ-ゼ活性は、0%であると推察される。これは、transphosphorylationの障害によると考えると、うまく説明することが、でき、transphosphorylation仮説と合致する結果と考えられる。
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