研究課題/領域番号 |
03671163
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
川上 正 自治医科大学, 医学部, 助教授 (40161286)
|
研究分担者 |
山本 従道 自治医科大学, 医学部, 助手 (40231675)
高木 省治郎 自治医科大学, 医学部, 講師 (20158992)
|
研究期間 (年度) |
1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1991年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | サイトカイン / TNF / ILー1 / 動脈硬化 |
研究概要 |
TNFおよびILー1は血管の内皮細胞や平滑筋に働き動脈硬化に導く様々な作用を持つ。本研究では動脈硬化の危険因子の一つである高コレステロ-ル血症がこれらのサイトカインの産生を誘発するかどうかにつきヒト末梢血単核球(PBMNC)を用いて検討した。PBMNCにLDLおよびその変性分子のモデルとされるアセチル化LDLを添加しTNFおよびILー1の産生を検討した。インタ-フェロンγ(INFγ)存在下ではアセチルLDLを加えた細胞は対照群の約4倍のTNFを分泌し、その量はエンドトキシンで刺激した時に匹敵した。PBMNCを24時間培養後、培養皿に粘着した細胞と非粘着細胞を分離し、それぞれにIFNγとアセチルLDLを加え分泌されるILー1の量を測定すると、ILー1の分泌はアセチルLDLにより著明に増加した。正常のLDLにはこのような産生刺激作用は見られなった。TNFの産生は、アセチルLDL添加後3時間で既に明らかになり6時間後にはほぼ最大に達するが、これに対し、ILー1の増加は6時間後でも有意ではなく、24時間後ではじめて有意な増加が認められた。アセチルLDLによるTNFの産生はIFNγの存在が必要であった。アセチルLDLはマクロファ-ジの細胞表面上の特異的なスカベンジャ-受容体に結合し、コレステロ-ルを細胞質内に搬入する。しかし、アセチルLDLによるTNFの産生刺激はコレステロ-ルが搬入されることを必要とせず、同じ受容体に結合するとされているマレイル化アルブミンも同様にカケクチン/TNFの産生を増加させた。以上、本研究により、アセチルLDLはPBMNCによるTNFおよびILー1の産生を刺激することが明らかにされ、これらのサイトカインが高コレステロ-ルによる動脈硬化の発症に関与することが示唆された。
|