研究課題/領域番号 |
03671201
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
八幡 義人 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70069011)
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研究分担者 |
大槻 剛巳 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40160551)
神崎 暁郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40148698)
山田 治 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (50104790)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 溶血性貧血 / 赤血球膜 / 膜蛋白分画4、2 / 細胞骨格 / 膜輸送能 |
研究概要 |
赤血球膜異常症のうち、膜蛋白分画4、2全欠損症7家系、同部分(約50%)欠損症3家系について、蛋白生化学、遺伝生化学的に検討し、次の知見を得た。 (1)臨床像: (i)中等度の非代償性溶血性貧血 (ii)赤血球形態はovalostomatocytosis (iii)遺伝形式は常染色体劣性遺伝と考えられるが、そのpenetranceの程度は低い。 (2)赤血球膜の病態と蛋白生化学的検討: (i)膜蛋白分画4、2の全欠損または部分欠損(約50%)を呈する。他の膜蛋白には本質的な異常を認めない。 (ii)Na輸送能(Na influxおよびNa efflux)は中等度の亢進を示す。 (iii)加熱負荷(43〜47℃)によって、患者intact RBCは著しい変形能(ektacytometryによる)低下を認める。 (iv)膜蛋白分画4、2は正常では72kDa peptideからなるが、一部に微量の74kDを保有する。一方、全欠損症例では、微量の74kDaと72kDaとが各々ほぼ等量ずつ存在する。また部分欠損症例では、微量の68kDaの存在も確認された。したがって、分画4、2は少なくとも72,74,68kDaのisoformが存在し、その原因はgene splicingにあるものと考えられる。 (v)患者IOV(分画3の細胞質側domain)の正常分画4、2に対する結合能は正常であったことから、病因は分画4、2自体に存在することが判明した。 (3)分画4、2の分子遺伝学的検討: (i)分画4、2のcDNAを用いて検討すると、142GCT→142ACTによるpoint mutationによってalanine→threonineが発見され、その病的意義を検討中である。
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