研究課題/領域番号 |
03671202
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
山本 正雅 (財)東京都臨床医学総合研究所, 循看器病研究部門, 研究員 (50150884)
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研究分担者 |
田上 憲次郎 東京都臨床医学総合研究所, 循環器病研究部門, 部長 (30014137)
桜庭 均 東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝病学研究部門, 室長 (60114493)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | GPIV欠損 / 血小板凝集 / 単球 / typeIの欠損者 / イソ抗GPIV抗体 / PCR / GPIVのmRNA / 骨髄移植 / type Iの欠損者 |
研究概要 |
健常者16人のGPIV欠損者を見いだした。GPIV欠損者の血小板凝集はいずれも正常であった。従来、GPIVはcollagenの受容体であるとされるが、我々の成績はこれに否定的であった。血小板にはGPIV以外にもcollagen受容体が知られているので、これらの蛋白がcollagenの受容体として寄与していると考えられる。16名のGPIV欠損者の単球の膜上のGPIVをOKM5を用いてflowcytometerにて検討した。14例においてGPIVが陽性であることが明らかになった。これをtypeIIとした。しかし、残り2例においては単球にもGPIVは存在しなかった。これをtypeIとして区別した。 TypeIのGPIV欠損のうちNa.Sの血清には抗GPIV抗体が存在していることが明らかになり、GPIVが完全に欠損であるtypeIの欠損者にはイソ抗GPIV抗体が産生されことが確認された。GPIV欠損の機序を明らかにするにはtypeIとtypeIIを区別し血小板と単球のそれぞれについてmRNAの解析をすることがGPIV欠損の機序を解明の重要であると考えられた。 そこで、typeIIのGPIV欠損者の単核球分画とり、この分画から常法によりmRNAを分離しPCR増幅法により検討したところ、GPIV欠損者の単球には、1.6kbpのcDNAが検出され完全なGPIVのmRNAが存在することが明かとなった。TypeII欠損者Ta.KのGPIV欠損者の単球に79番目にC-A置換と、1632番直後にAGTAの4塩基の挿入を観察した。しかし、これらは直接GPIVの欠損とは関係ないと考えられる。TypeIのGPIV欠損者の遺伝子解析については今後の課題である。骨髄移植対象者でGPIV欠損の患者で移植後のGPIV抗原の血小板への表現についての研究では二年間に70名の骨髄移植対象者と対象候補者を調べ、一人のGPIV欠損者を発見することができた。しかし、経過観察中に急変し死亡したため、精査できなかった。以上、この研究で明らかになった2型式のGPIV欠損の存在は、今後更にGPIV欠損の機序を遺伝子工学適に解明する上で重要になると思われる。
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