研究課題/領域番号 |
03680046
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
結晶学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田中 勲 北海道大学, 理学部, 助教授 (70093052)
|
研究分担者 |
新田 勝利 北海道大学, 理学部, 助教授 (80001858)
|
研究期間 (年度) |
1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | リゾチ-ム / 結晶構造 / カルシウム結合 / ハト |
研究概要 |
ハト卵白から精製したカルシウム結合性リゾチ-ムをハンギングドロップ蒸気拡散法により結晶化した。結晶化剤として硫酸アンモニウムを使用した。同結晶をX線同折計で調べたところ斜方晶系に属し、空間群はP2_12_12_1であることが判明した。非対称単位中には1分子が存在している。この結晶からの回折デ-タをフジイメ-ジングプレ-トを使った回折計DIP100により収集し、分子置換法により構造を解明した。3A分解能のデ-タを使い、分子動力学的方法により構造を精密化したところ最終のR値は0.21となった。 ニワトリ卵白リゾチ-ムとαーラクトアルブミンの主鎖とハト卵白リゾチ-ムの主鎖との間で最小2乗法による重ね合わせを行うことにより、ハトリゾチ-ムは、同じカルシウム結合性リゾチ-ムであるαーラクトアルブミンよりもニワトリリゾチ-ムの構造の方により近いことがわかった。一方でハトリゾチ-ムとαーラクトアルブミンの立体構造の差は、ニワトリあるいはヒトリゾチ-ムとαーラクトアルブミンの差より小さい。つまり、進化上、ハトリゾチ-ムはカルシウム非結合性リゾチ-ムとαーラクトアルブミンの中間に位置することが、立体構造の面から確認された。ハトとニワトリリゾチ-ムの主鎖コンフォメ-ションの最も大きな違いは分子表面の-プ部分にあることも判明した(平成3年度日本生物物理学会、日本結晶学会にて発表、J.Biochemistryに投稿)。カルシウム結合部位の構造の詳細に関する議論は、3Aの分解能では不十分であるので、シンクロトロン放射光を使って2Aまでのデ-タを次に収集した。このデ-タを使った構造の精密化を行い現在までにほぼ終了したいる。
|