研究課題/領域番号 |
03680057
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
本間 清一 お茶の水女子大学, 家政学部, 教授 (50017240)
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研究分担者 |
寺沢 なお子 お茶の水女子大学, 家政学部, 教務職員 (00227513)
村田 容常 お茶の水女子大学, 家政学部, 講師 (60210051)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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キーワード | 醤油 / 魚醤 / 穀醤 / レクチン / 褐変 / 色素 / 糖鎖 / ConA |
研究概要 |
本研究課題の採択通知は10月であったので、研究計画書の中でいままで全く着手していなかった分析要因であるレクチンを利用して醤油色素の糖鎖部分にもとづいて醤油色素の特徴づけをする方法を集中的に検討した。日本産の穀醤をセファデックスGー25でゲル濾過クロマトグラフィ-により色素成分を分子量の大きい順にP1、P2,P3に分画した。鉄をキレ-トしている部分は分子量の大きいP1、P2であった。ConAレクチンをタチナタマメより調製し、セファロ-スに固定化し、P1成分中のConAアフィニティ-物質を分離した。アフィニティ-画分のハプテン糖をセファデックスGー25カラムで除いて、凍結乾燥したところ100mgの色素物質P1から2.5mgの褐色の物質が得られた。この物質がクロマトグラフィ-のア-チファクトである可能性もあり得るのでDot blot、ELISA法によりこの物質がConAに対してアフィニティ-を示すことを確認した。CBB色素を用いてアフィニティ-物質中のたんぱく質量を測定したところ、100mg当り6.5mgであった。したがって、穀醤のような豆や穀物を材料にした褐変色素にはマンノ-スやグルコ-スの糖鎖構造を保持した部分があることが示された。同様に、魚醤をConAカラムにかけると、褐変色素のアフィニティ-成分がクロマトの色素換算で2ー5%存在することをみとめた。つぎに、グルコ-スとグリシンのモデル系で調製した非透析性メラノイジンも色素換算で魚醤と同程度のConAに対するアフィニティ-成分の存在をみとめた。したがって、魚醤と穀醤の識別はこれらのアフィニティ-成分の含量ではなく、その中の構成糖の性質を特定することにより可能と推定され、今後の中心的な検討課題になる。
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