研究概要 |
本年度は,一つには少し平面も異なった集会所を数ケ所近くに持つ団地において,それらの利用の仕方を広域的視点から調査研究したことと,二つ目には,余暇のグループ化に伴う問題を更に調査研究した。その結果,集会所の利用にあっては,近傍の管理範囲を越えたものであっても出来れば互いに使い回した方が良いとする住民要求動向を明らかに出来た。そのため,今後は管理の仕方を工夫する必要はあるが,互いに使うことによって,又将来,互いに性格の異なった集会所に特化改善することによって,住民の多様な「集まり生活」要求に応えてゆくことになるだろうとの結論的方向性を明らかに出来た。次に余暇のグループ化についてだが半数以上が何らかのグループ化されているし今後も増えてゆく傾向である。但し「公共」「商業」「共同」「自主」では,ほぼ四分されているが年齢や学歴等によって分布が異なり今後,やはり「公共」や「共同」の重要性が高まるであろうことが明らかとなった。また,その場としては,住居を含む身近な場と中間をとばして都市域の広い場に二分される傾向にあり,職場関連は低調となっている。 これらの集会所のあり方や余暇活動のあり方を通じて,より大きく言えば近代都市計画が一つの施設配置理論としてきた「段階構成」は再考されてゆく必要があることが示唆されよう。つまり「ヒエラルキー的な段階構成」から「相互乗り入れ的ネットワーク構成」へであり,又,「スキップ型の構成」へである。今後詰められるべき課題である。
|