研究課題/領域番号 |
03680074
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
宮野 道雄 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (00183640)
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研究分担者 |
土井 正 大阪市立大学, 生活科学部, 助手 (70137181)
綿貫 茂喜 大阪市立大学, 生活科学部, 講師 (00158677)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 高齢者 / 快適性 / 音環境 / 温熱環境 / 視環境 / 段差 / 歩行衝撃 / 生理反応 / 過熱環境 / 視認性 / アイマークカメラ / 居住環境性能 / 快適 / 温冷感 / 聴覚 / 居住環境 / 安全 |
研究概要 |
本研究では、高齢者の日常生活における安全性・快適性に関する検討において、これまで必ずしも充分には明らかにされていなかった環境要因との関わりの視点から、高齢者に適する環境条件決定に対する問題点の追究を行った。 すなわち、アンケート調査結果によれば、高齢者が日常生活において支障を感じている点は、公共の駅・車内では階段の勾配、見え方、アナウンスの不明瞭さ、および夏季の冷房の問題などであった。また、道路・通路では、誘導標識の見にくさ、つまずきの危険性などが指摘された。 したがって、これらの問題点をより詳細に考察するために、本研究ではまず、視環境に関する検討を行った。床段差の視認性に関する実験によれば、段差高さや照度は段差の評価に大きな影響を及ぼし、とくに高齢者はそれらの影響を受けやすいことなどが判明した。公共空間の案内板・サインの視認性については、照度,輝度の条件の他、情報の提示の仕方にも問題があることがわかった。 つぎに、温熱環境に関する検討では鉄道車両内の冷房負荷が人体生理に与える影響が明らかとなり、性差も存在することが示唆された。さらに、音環境に関する検討では、高齢者にとって車内放送は必ずしも適切な条件下で行われておらず、音圧レベルだけでなく明瞭な話し方が要求されることなどが明らかとなった。音刺激の生理心理反応に関する検討から、青年においては67dB程度の音が情報伝達装置として適当であることが見出され、高齢者について考える際の基礎データが得られた。最後に、防音床材の歩行特性に関する検討により、歩行時の関節部の衝撃吸収メカニズムの一端が明らかになった。 以上のように本研究の結果、高齢者の生理的特性との関係において、安全で快適な居住環境を策定する際に留意すべき事柄が明らかとなった。
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