研究課題/領域番号 |
03680094
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
科学技術史
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
江上 生子 東京工業大学, 工学部, 助手 (80016493)
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研究分担者 |
EGAMI Fuyuko Tokyo Institute of Technology, Faculty of Techonology, Research Associate (80016493)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
1992年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 生命の起原論 / A.I.オパーリン / “化学進化" / “自然選択" / ロシア・ソ連 / 20世紀初頭 / 自然選択 / ダーウィニズム / オパーリン / 化学進化説 / 三系統の著作 / コアセルヴェート / ホールデン / オパ-リン / 1924年論文 / ダ-ウィニズム / コロイド化学 / 唯物論哲学 / アナロジ- |
研究概要 |
生命の起原研究についての学説史的研究としては、H.Kammingaの学位論文(1980)他があるが、本研究は、それらの研究と重複しない形で、A.I.オパーリンの生命の起原説の展開とロシア・ソ連の情況、国際的な研究への寄与等を中心に置いて調査、研究した。 1.オパーリンは、その生命起原説の初期の段階から、基本的には一貫して、自然選択による物質の進化の経過の中で生命が発生したとの意想をもっていた。しかし、唯物論哲学やコロイド化学、天文学、地質学などの新しい成果のとりこみによって、細部には、漸次変化がみられる。 2.J.B.S.ホールデンが20年代末にその生命の起原論を提示したあとはほとんど展開させなかったのに対して、オパーリンは学術書、啓蒙書とも継続的に発表した。彼の生命の起原論の著作は、三つの系統を成す。第一の系統は学術的なもので、常に新しい科学の諸成果の受容に努めて著されている。第三の系統は全くの啓蒙的なもので、疑似科学への迎合的な側面もみられる。第二の系統は中間的なもので、最晩年の著作もこの系統に置けると思われるが、詳細は今後の課題である。 3.“化学進化"の語は、生命起原説との関連で、最近、多用されるが、この語は、40年代から使われ始めた。報告書の調査では、J.D.バナールが最も早いが、それ以前の使用例の可能性も残されている。 4.生命の起原研究、その他の科学的活動に注目してオパーリンの研究活動の時期を区分すると、初期(1917)〜中期(1924)〜後期(1939)〜晩期(1957〜80)となるが、生命の起原研究が国際的にとり組まれるのは50年代以降であり、アメリカで行われた実験的研究の成果以来、広くとり組まれる課題となり、57年にモスクワで最初の国際シンポジウムが開催されたが、ここに至るまで、オパーリンの寄与があった。
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