研究概要 |
すでに我々はperceived HR(主観的心拍数)が運動強度の指標として有効であることを公表してきた。その後、運動強度の相違にみられるperceived HRの変動性やperceived HRトレ-ニングによるperceived HRの改善に関する一連の研究を行ってきた。本研究は、さらに一歩進めて小〜高校生の学校授業にperceived HRの応用が可能か否かを研究することを目的とした。 被検者20名は心拍モニタ-を用いてperceive HRを実際の心拍数(ECG HR)に近ずけるトレ-ニングを10週間行った。そのトレ-ニング前後にperceived HRとECG HR,Indicated HRとECG HRとの関係を測定した。その結果、小学生(12歳)においてのみperceived HRトレ-ニング後のperceived HRーECG HR,indicated HRーECG HRの関係に改善が認められた。これは,12歳児ではトレ-ニング前のperceived HRーECG HR,indicated HRーECG HR間の誤差が大きかったことによる。perceived HRトレ-ニングを行っても実際のHRに近ずけるには限界があり,その限界の誤差は±10拍/分内に存在すると結論づけられよう。したがって,perceived HRトレ-ニングを実施することによって,学校教育の場でもperceived HRを応用することが可能と考えられる。その際,RPEの併用によって,perceived HRの精度を高めることが可能と推察される。
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