研究概要 |
前回(昭和63〜平成2年度科研費一般C,No63580095)の研究成果を基礎にして,本研究のもとめを行い,つぎの研究成果をあげた。 1.フランス語の体育史文献解題の客観性をより高めることを目的として,大容量の文字列データを分析する能力を持つコンピュータソフトプログラムに大幅な改良を加え《日本語ワードアナライズ》システムを完成した。これにより,大規模データのアナライズを,しかもその対象となるデータベースの書式からできるだけ解放されたデータ作成プロセスと一体化して実現することができた。特に,異語リストの比較プログラムを用いて本研究の最終目的である,文献解題法の検対を実行かることができたことは有力な成果の一つである。 2.19世紀前半と20世紀前半のフランス体育書の校本データベースを構築かることができた。入力した文献は9著者76点,センテンスの合計で42,539,データサイズでは5,810,176バイトである。 3.収集した3文字以上の異語91,967について,異語リストの検査による異語校正法を実験し,データ分析の対象としての体育史文献データベースの学術的確度を高める能率的効果的なデータ校正法であることを確認した。未校本の誤綴りを異語リストで校正した最高の結果は,97.38%から99.13%への向上であった。今回は被験者数が少なく,習熟度に大きな開きのあるケースとして実験したので,今後の課題としたい。 4.従来から西洋体育史が記述したきたように,19世紀前半は近代的ジムナスティークの誕生の時期であり,20世紀はスポーツの時代といわれる事実について,19世紀前半の合本と20世紀前半の合本の異語比較によって具体的に実証できた。
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