研究課題/領域番号 |
03680135
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岡田 典弘 筑波大学, 生物科学学系, 助教授 (60132982)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | レトロポゾン / サケ科魚類 / SINE / 反復配列 / 転移RNA / 系統関係 / 分子生物学 / 塩基配列 |
研究概要 |
我々は、サケ科魚類に存在する三種のレトロポゾンを単離し、そのそれぞれが、進化の異なる段階で増幅を行なっていることを明らかにした。すなわち、SmaIファミリ-はシロサケ、カラフトマスのみに存在するところから、この二種の共通祖先で増幅を行なったと考えられる。又、FokIファミリ-は、イナワ属のみに存在するところから、イワナ属が他のサケ科の魚類から分岐した後に、イワナ属の共通祖先で増幅を行なったと考えられる。第三のファミリ-であるHpaIファミリ-は、サケ科魚類のすべてに存在するので、サケ科魚類の共通祖先で増幅を行なったと考えられる。更に、私は、サケ科のすべての魚類のゲノムに存在するHpaIファミリ-が、サケ科の共通祖先ばかりではなく、進化の様々な段階で増幅を行なったサブファミリ-の検出を試みた。HpaIファミリ-のメンバ-をヒメマス、サクラマス、シロサケ、スチ-ルヘッドから単離し、塩基配列を決定し、ユニットをはさむように3'と5'側でプライマ-を合成し、サケ科各種のゲノムを鋳型としてPCRを行なったところ、全部で5種の進化の異なる段階で増幅を行なったようなHpaIファミリ-のサブファミリ-の検出に成功した。この結果サクラマスを除く6種のサケ属の系統関係が明らかになった。 更に、SmaIファミリ-の起源と増幅のメカニズムを明らかにする目的で、SmaIファミリ-と相同性をもつ配列をサケ科魚類ゲノムで検索したところ、サケ科の魚類のうちで最も古い属と考えられるコルゴヌス属で、SmaIファミリ-と非常によく似たファミリ-が、増巾していることが明らかとなった。以上の事実により、サケ科の共通祖先でSmaIファミリ-及びコルゴヌス属で増幅しているファミリ-の原配列というべきものが存在し、それぞれの時期に少し配列が変化したファミリ-が増幅してきたものと想定される。
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