研究課題/領域番号 |
03680145
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
神奈木 玲児 京都大学, 医学部, 講師 (80161389)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | リポコルチンI / 扁平上皮癌 / 架橋反応 / トランスグルタミナ-ゼ / Ca^<2+>感受性 / 細胞骨格蛋白質 |
研究概要 |
リポコルチンIを多量に含むことが判明しているヒト扁平上皮癌細胞株A431細胞をEGFで刺激すると、架橋反応によって生じると考えられる74KDaのリポコルチンI2量体と、加水分解反応の結果と考えられる34KDaのリポコルチンIが、EGF刺激の強さに比例して出現するのが観察される。 われわれはさらに、in vitroで精製リポコルチンIをトランスグルタミナ-ゼによって架橋する際に、酸性リン脂質を加えると架橋反応が著しく促進することを見出した。この条件下では、基質リポコルチンIは加えた酸性リン脂質の膜上に結合しており、膜結合性のリポコルチンIがたいへん架橋反応を受けやすいものと解釈された。リポコルチンIの膜への結合部位は分子のC末端側ドメインに存在している。したがって、多数のリポコルチンIが膜に結合する場合、これらの分子はC末端部分を膜側に結合させ、N末端測ドメインを細胞質側に向けた、たいへんよく揃った配向をとるものと考えられる。この状態が細胞質側に存在するトランスグルタミナ-ゼによる架橋反応によってたいへん都合のよい条件なのであろう。修飾を受けたリポコルチンIのCa^<2+>感受性はきわめて高く、刺激後細胞内Ca^<2+>濃度の上昇の極期をすぎて除々に低下していっても、なお細胞膜への結合活性を持続し、架橋リポコルチンIの場合は特に刺激の結果起こったこうした変化を、細胞骨格蛋白質の組識状態の変化へ伝達していく可能性があると考えられた。さらに愛知県がんセンタ-にて研究を継続する予定である。
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