研究課題/領域番号 |
03680164
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
徳田 元 東京大学, 応用微生物研究所, 助教授 (40125943)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 蛋白質膜透過 / 再構成系 / 大腸菌 / SecA / SecE / SecY |
研究概要 |
大腸菌の蛋白質膜透過には、SecA、SecB、SecE、SecD、SecF、SecY等の蛋白質因子が関与しているとされている。この内SecB蛋白質は、膜透過に必須ではない。一方、SecA蛋白質は膜表在性のATP分解活性を持つ必須因子である。SecD、SecE、SecF、SecY蛋白質は膜内在性の蛋白質であり、これらの機能を明らかにするためには、リポゾ-ムを用いた再構成実験系が必須である。申請者は、既にこの再構成実験系を確立し報告した。さらにSecEとSecY蛋白質をはじめて均一に迄精製することに成功し、これらを用いた本年度の研究で以下の成果を得た。 (1)SecE、SecYは、いずれも必須の因子であることを精製標品を用いた再構成系がはじめて証明した。 (2)SecE、SecY、SecAのみで大腸菌の蛋白質膜透過系が構築できることを明らかにした。 (3)SecA蛋白質は、リポゾ-ム、前駆体蛋白質、ATP等と相互作用すると構造変化を起こすことを示した。 (4)SecE蛋白質は、3カ所の膜貫通領域を持つ蛋白質である。3番目の膜貫通領域のみからなる変異SecEが機能的であることが遺伝学的に示唆されている。申請者らは、遺伝子工学的手法を用いて作成した変異SecE蛋白質を精製し、再構成を用いて、SecEの機能は3番目の膜貫通領域に集中していることを明らかにした。またこの領域がSecYと相互作用することを示した。 (5)成熟体部分に電荷を持たない蛋白質の膜透過も、プロトン駆動力要求性であることを示し、蛋白質の電気泳動的移動にプロトン駆動力が必要になるのではなく、膜透過系自体がプロトン駆動力を要求することを示した。 (6)蛋白質膜透過系は蛋白質/H^+アンチポ-タ-様の活性を有することを見いだした。 (5)、(6)は反転膜小胞を用いて得られた結果であり、現在これらの知見を再構成系でより詳細に解析している。
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