研究課題/領域番号 |
03680173
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝生物化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松本 邦夫 九州大学, 理学部, 助手 (90201780)
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研究分担者 |
中村 敏一 九州大学, 理学部, 教授 (00049397)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | HGF / インジュリン / 肝再生 / 腎再生 / IL-1 / TGF-β / TGF-β1 / 肝細胞増殖因子 / 増殖因子 |
研究概要 |
肝細胞増殖因子(HGF)は肝細胞をはじめ多くの上皮系細胞の増殖、運動性、さらには形態形成を促す多機能因子であり、長らく実体の不明であった肝再生因子の本体と考えられる増殖因子である。本研究においては肝傷害や腎傷害に伴なうHGFの発現誘導と発現誘導因子の実体解明を目的として行なった。様々な肝傷害(肝炎、肝切除、虚血など)さらには肝傷害(片腎摘出、虚血、水銀投与など)に伴ない、肝臓、腎臓において速やかなHGFの発現誘導が見られ、HGFは肝再生因子さらには腎再生因子として機能していると考えられる。一方、これら肝傷害、腎傷害に伴ない肺、脾臓など無傷の遠隔臓器においてもHGFの速やかな発現誘導が見られることから、HGFはパラクリン、エンドクリン機構で臓器の再生を促していると考えられる。次に、様々な肝傷害、腎傷害をもつラット血中に、HGFの発現を誘導する因子が存在することを見い出し、本因子をinjuryをメディエートすることからインジュリンと名付け、培養線維芽細胞のHGF産生促進活性を示標にインジュリンを部分精製した。インジュリンは酸、熱に安定な分子量1万〜3万の蛋白質性の因子である。また、インジュリン以外ににインターロイキン-1(IL-1)、ヘパリンもHGFの発現誘導因子として作用することを見い出した。これに対し、transforming growth factor-β1(TGF-β1)、グルココルチコイドはHGFの発現を抑制するnegative regulatorであることを明らかにした。肝傷害、腎傷害に伴ない速やかに合成・分泌されるインジュリン、IL-1、ヘパリンがHGFの発現を誘導し、臓器の再生が開始され、臓器の再生が終了に近づくと、TGF-β1がHGFの発現を抑制して再生を完了させるものと考えられる。HGFとその発現調節因子は臓器の再生はもとより、器官形成、器官の恒常性を維持する新しいサイトカインネットワークであると思われる。
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