研究課題/領域番号 |
03680174
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝生物化学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小池 吉子 長崎大学, 医学部, 助教授 (80039619)
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研究分担者 |
後藤 信治 長崎大学, 医学部, 助手 (50186889)
浦田 芳重 長崎大学, 医学部, 助手 (30185087)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ピルビン酸脱水素酵素 / α,βサブユニット / 遺伝子 / 発現調節 / 欠損症 / PCR増幅 / 点変異 / ヒトピルビン酸脱水素酵素 / αーサブユニット遺伝子 / βーサブユニット遺伝子 / 変異(欠損症)遺伝子 |
研究概要 |
ヒトピルビン酸脱水素酵素(PDH)は、解糖並びにアミノ酸代謝上の重要中間体であるピルビン酸の酸化的脱炭酸反応を触媒するピルビン酸脱水素酵素複合体の成分酵素の一つで、その初発不可逆的脱炭酸反応を担っている代表的チアミンピロリン酸(TPP)酵素である。異種のサブユニットα(PDHα,41kDa)およびβ(PDHβ、36kDa)の四量体(α_2β_2、153kDa)構造を保持している。最近、両サブユニットのcDNAをクローン化し、その全塩基配列とアミノ酸配列を決定し、更に両サブユニット核遺伝子のクローン化にも成功し、その全塩基配列決定も遂行した。近年、慢性酸血症を伴い脳、神経、運動障害を主症状とする先天性代謝異常症という難病の病因の一つが本酵素欠損症であることが判明し、その出生前診断と治療法の確立が急がれている。本研究では、PDHαおよびβゲノムDNAの5'端領域(プロモーター領域)を適切な発現ベクターに組み込み、発現機構および調節因子の究明と両ゲノムDNAの全エクソン領域をPCR法で増幅し、その配列決定法を確立した後、PDH欠損症ゲノムDNAの単離、エクソン増幅、塩基配列解析により変異部位を探索し、発症要因の本態解明とを実施した。先ず、両遺伝子5'端上流域を用いてCATアッセイおよびフットプリント法での発現因子解析と調節機構解明を継続中である。私共が確定診断した8例のPDH欠損症例中、生後3日で死亡した症例の病理解剖肝よりゲノムDNAを単離出来た。更に両ゲノムDNAの全エクソンをPCR法で増幅出来るオリゴヌクレオチドプライマーを合成し、増幅法を確立した後、欠損症DNAの両ゲノムDNAエクソン増幅、塩基配列決定を行い、PDHαゲノムDNAのエクソン5と6とにそれぞれ1ヶ所の塩基置換を検出した。これらの点変異と両サブユニットタンパク質の欠失との関連性を考察した。更に症例解析を推進している。
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