研究課題/領域番号 |
03680187
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 正知 北海道大学, 工学部, 助教授 (40117122)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 蒸気圧 / 水 / 熱力学的性質 / 地層処分 / 工学障壁材 / ベントナイト / モンモリロナイト |
研究概要 |
地層処分の安全評価に関し、欧米各国に比べ地層が複雑な我国の場合、天然障壁に比べ工学障壁への依存度が高くなる可能性がある。そこで、地層処分後100,000年程度までの期間、圧縮ベントナイト等の工学障壁の性能評価が重要となる。ベントナイト中での放射性核種の移行を評価する上で核種の移動過程の解明が欠かせない。核種はベントナイトの主な構成鉱物であるモンモリロナイトに存在する間隙水や、結晶の層間に組み込まれた層間結合水を介して移行する。本研究では、核種移行過程解明に重要となるベントナイト中での水の熱力学的性質を検討した。 実験では真空装置を作製し、閉じた系でベントナイト中の水と気相の水蒸気が平衡になる条件を実現し、ダイアフラム圧力計で蒸気圧を測定した。水蒸気圧の温度依存から熱力学デ-タを純水を標準にして整理し、処分条件を含む種々の含水率での水の相対部分モル自由エネルギ-ΔG、エンタルピ-ΔH、エントロピ-ΔSを決定した。 含水率14%以下でΔH、ΔSはわずかに減少しはじめ、4%以下になると更に急激な減少が認められた。含水率14%以上では、純水と同じ熱力学的特性を示し、純水にほぼ等しい性質の間隙水が存在すると考えられる。含水率14〜4%の組成では、x線回折の結果、層間水は2層から1層に変化した。しかし、この変化は水の熱力学的性質の変化にほとんど影響しないことが分かった。この領域ではΔHはー20kJ/molまでであり、種々の物質に対する水の吸着熱程度の大きさで水の状態の変化は比較的小さい。4%以下の組成においては、ΔHの急激な減少からより安定な状態への変化が認められた。x線回折法による結晶の底面間隔はなお1層を維持しており、層間水あるいは間隙水のうち粒子表面のNaイオンに近い位置にある水が支配的になると考えられる。
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