研究課題/領域番号 |
03680206
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
藤田 佳久 愛知大学, 文学部, 教授 (70068823)
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研究分担者 |
FUJITA Yoshihisa Aichi University, Faculty of Literature, Professor (70068823)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 禿げ山 / 朝鮮半島 / 林野利用 / 日本統治 / 鴨緑江流域 / 北韓 / 森林資源 / 李朝時代 / 日本統治下の朝鮮 / 焼き畑 / 李朝 / 植生回復過程 |
研究概要 |
本年度は李朝末期から日本統治時代の調査記録および紀行文、絵、写真などを通して、林野利用状況とそこでの禿げ山分布を正確に復元する作業をすすめた。当初の調査記録や紀行文によれば、朝鮮半島のほとんどの山が禿げ山におおわれているとされていたが、より多くの調査記録および日本統治時代における本格的な林野調査、および各種の地域誌類を検討することにより、それが必ずしも正確ではなく、禿げ山分布にもかなり地域的な特徴があることが明らかになった。とりわけ、北韓の鴨緑江流域とその流域につづく山地にはかなりの森林植生が温存されていたこと、ただし、この植生部分についても、日本統治時代に入ると開拓民が入植するようになり、部分的に焼畑のための火入れによる荒廃地が順次拡大していく状況も明らかになった。この点については、当時の日本統治政策の方針がそのように林野利用を変化させたものと思われる。この点は、日本統治時代に刊行された地形図で確認中であり、地形図をベースにした地域区分によって、林野の荒廃度を明らかにすることができる。 次に、日本統治時代における林野管理については、日本で実施した方式により、官民有区分が行なわれ、背梁部を中心にして広大な国有林を創出し、その国有林における禿げ山などの荒廃地の植生回復が試みられたことが明らかになった。それは下流域をふくめた治山治水により、下流域に再編された植民地型の水田を災害から保護する役割を果そうとするものであった。そのためには多くの試行錯誤がなされた。その地域的展開過程については、さらに煮つめていく必要がある。その一方、鴨緑江流域の豊かな森林資源が国策の中で伐採され、朝鮮半島経営の資金に利用され、植生の喪失と回復とが地域を異にしながら展開したことも明らかになった。
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