研究課題/領域番号 |
03680230
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生体物性学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
柊 弓絃 京都大学, 化学研究所, 助手 (10027063)
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研究分担者 |
佐野 洋 食品総合研究所, 食品物理化学研究室, 室長
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1993年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1992年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 放射光 / 溶液散乱 / X線小角散乱 / 植物ウイルス / タバコモザイクウイルス / キュウリモザイクウイルス / 動的溶液散乱 / 時分割測定 / 温度ジャンプ / タバコモザイクウィルス / キュウリ緑斑ウィルス / 形成速度測定 |
研究概要 |
シンクロトロン放射光の強力な光源(放射光X線)を利用して、溶液散乱法により、生理条件に最も近い状態で、タバコモザイク病ウイルスとキュウリ緑斑病ウイルスを、その構成要素であるリボ核酸と外被タンパク質から、感染性のあるウイルス粒子が再構成される機構と成長速度の研究を行った。その目的は、高速度で経時的に散乱測定を行い、ウイルス形成のメカニズムを構造学的見地から速度論的に解明することにある。実験は、放射光X線を用いて、温度ジャンプ装置と、時分割X線小角散乱法を組み合わせて測定を行い、温度により会合が生じる性質を利用して、形成の時間過程を観察した。同様にストップトフロー装置を用いてイオン強度のジャンプを生じさせて、形成過程を測定する。これらの散乱データを解析し回転半径や分子量及び散乱曲線の時間的変化から、成長過程の粒子形態と大きさを定めた。また、粒子の成長の時間変化の速度論的解析から、A-蛋白と20Sディスク平衡定数を定め、粒子の成長と崩壊に対する速度定数から成長速度を求めた。この方法により、従来の電子顕微鏡等では、ある瞬間の乾燥した形態しか観測できなかったものが、連続測定により溶液中での成長速度を決定することが初めて可能になった。 その他に、植物ウイルスの形成過程を観察するには、低温クエンチングの手法も利用した。この方法は、例えば20℃で再構成反応が進行中の溶液から、反応開始後0、1、2、・・・・・、30、45分と経過した時点でそれぞれ一定量の溶液を取り出し、ただちに5℃に冷やせば反応が停止し、各過程の溶液が利用できる。そこで、これらの液を5℃でX線散乱測定を行い、RNAとタンパク質からの、タバコモザイクウイルスやキュウリ緑斑ウイルスの再構成の時間的過程を観察できた。
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