研究分担者 |
長野 東 東京理科大学, 理学部, 講師 (10198343)
小林 嶺道 東京理科大学, 理工学部, 教授 (70120186)
島田 茂 東京理科大学, 理学部, 教授 (00000034)
松尾 吉知 東京理科大学, 理学部, 教授 (60103024)
嶋田 君枝 東京理科大学, 理工学部, 助手 (60110897)
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研究概要 |
研究は,数学教育に対して,つぎの三つの観点から行った. (1)数学教育上の,言語に関した問題点(2)数学用語のなかでの漢字の用法 (3)数学文の基本的な文体・文法 1.(1)に関しては,多数の具体的な問題点を発見した.具体例としては, (1)教科書に易しいことばとして使われている用語の中には,すでに死語と思われるものがあったこと. (2)「と(and)」と「か(or)」のような基本的な論理語において,日常語とは違う意味・用例が数学文の中に見られること,及び,その違いが,今まで,教育の現場で気付かれていなかったこと. (3)「必要条件」,「十分条件」の定義と指導に問題が見られること. (4)極限という概念の定義に問題があること.とくに,教科書でははっきりと定義されてはいないこと. 等があり,日本数学教育学会等において,発表し,現場に注意をうながした. 2.(2)については,数学用語から,145の基本的な漢字を収集し,それらを使った用語について,そこでの漢字の意味・用法を解説した解説書の第一稿を完成した.さらに,「幾何」のような,数学的には基本的な漢字とは認められない漢字で表現されている26の2字語についても解説した. 3.(3)については,定義・定理・証明の記述文を収集し,分析した.その結果,日本語の論理語の意味・用法にいろいろな問題があることが分かり,論理語の分析に力をそそいだ.また,応用上は,日本語での証明文を記号化した形式的な表現に直すための文体研究が実際的であろうと考えて,研究を行った.
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