研究概要 |
学生のパーソナル・アイデンティティとは,学生1人1人の自分らしさのことで,これを確立することによって、学生は大学生らしい生活を送ることができ,また就職先の決定も自分の考えでできるようになる。 このPIを確立させるように指導することは,きわめて大切であるが,具体的にどうするかはいろいろ考えられる。われわれは,自己認識,自己理解,自己実現の3つのプロセスを想定し,自分のやる気をみつめること,自分の歴史をふりかえること,自分の特徴を知ることの3つを目標に定めた。そしてそれをコンピュータを利用して実現しようと考えた。 まず自分のやる気をみつめるため,IGF法(石桁が提案)でやる気を記録し,自分のやる気状態を把握する方法を採用した。最終的には,パソコン上でそれが可能なようにした。 次に自分の歴史を自分史として,用紙に記入していく方法を採用した。それをパソコン・ワープロで可能なようにした。 さらに自分の特徴を知るため,既存のYG性格検査,VPI職業興味検査を採用して,自分の性格や職業興味を知り,われわれが工夫したやる気タイプ検査,価値観調査,気質調査(石橋教授グループが開発)を用いて,タイプ,価値観などを知るようにした。これらの方法の結果はすべてパソコン上で見えるようにした。 以上の3つの内容を,すべて1台のパソコンで実行できるPI確立支援システムCASESPI(Computer Assisted System for Establishing Student's Personal Identity)というシステムにまとめて,そのプロトタイプを試作した。そして少人数ではあるが試用させてみて,プロトコルを探った。学生には好評である。
|